「言葉が出ない…」ウクライナの今 空手師範が肌で感じた戦地の現実 避難家族と再会、空手で交流
通訳: 「避難しましょう」 空襲警報が鳴り響く街。 夜もー 小沢さんは滞在中、5回ほど空襲警報を耳にしました。 空手道禅道会・小沢隆さん: 「夜中の3時の時もあったので5、6回そういうことがありました。毎日毎日こんなことが続けば、住んでる人はまいっちゃうだろうなという印象でした」
ビンニツァ訪問の最大の目的は、高森町に避難していた家族との再会です。 当時3歳だったダニエラちゃんを含め、みんな元気―。
ウクライナ料理が振舞われました。 高森町に避難していた・スタシウク・ディナさん(37): 「ほぼ毎日、日本にいた頃を思い出している。小沢先生に会えてとてもうれしいし、高森町で支援してくれた人の健康を祈ってる」
空手道禅道会・小沢隆さん: 「男の子たちはうんと体格が大きくなってまして、ダニエラはあのままの印象でしたけど、いろいろ懐かしくて昔話が出て、まだまだ戦闘が続くので、高森に来た難民の方たちには気を付けてけがなく生きてほしいなと強く思いました」
10月29日―。 ビンニツァでは門下生が集まり「小沢カップ」を開催。 高森町で稽古を積んだアルチョムさんも出場しました。
アルチョムさんがみごと優勝しました!
空手道禅道会・小沢隆さん: 「子どもたちも私たちが来てるので、いいところを見せなきゃという意識が高かった。礼儀正しくてファイトあふれる大会でした」
一方、滞在中、何度も小沢さんは戦地の現実を突き付けられました。 戦死した門下生の写真に手を合わせました―。
こちらは多くの市民が犠牲になったキーウ近郊の街・ブチャ。 ミサイルで破壊された建物はそのまま。 空手道禅道会・小沢隆さん: 「壁に銃弾の跡が残ってる、下にも戦車の通った跡が残っていたり、そこらへんは生々しい現場だと思った」
案内役は禅道会ウクライナ支部長のイゴール・ユカリチュクさん(47)。元志願兵で、頭や足を負傷し、除隊となりました。 今は、体も心も傷ついた兵士たちのリハビリセンターをつくろうと活動しています。