パソコン指導者は92歳 ボランティアで毎月相談乗る 勉強怠らず「常に初心」/兵庫・丹波篠山市
兵庫県丹波篠山市立中央図書館にある「ICTふれあいサロン」で、ボランティアでパソコン初心者の相談に乗ったり、指導したりしている遠藤正和さん(92)=同市味間南=。月に4、5回、多い時は8回、文字の入力方法やパソコンの使い方などにアドバイスを送っている。きょう9月16日は「敬老の日」―。 1997年まで日刊スポーツ新聞の関連印刷会社「日刊オフセット」(大阪府)に勤務。退職当時、全国的に行政施設にパソコンが置かれ始め、市民向けの教室も開かれた。丹波篠山市の旧丹南支所内の視聴覚ライブラリーにもパソコンが設置され、教室生らが勉強。相談に乗るボランティアスタッフを始めた。 2003年、中央図書館が開館して間もなく、館内に「市視聴覚ライブラリーITサロン」が開設され、引き続き、ボランティアスタッフを務めた。「開設後、10年ほど前までは、パソコンを利用するのに待ち時間ができるほど人気だった。パソコンが普及するなどし、徐々に利用者は減ってきた。もう役割は終わったのかな」と寂しげに話すも、「相談者のレベルも上がり、今はマイクロソフトのAIアシスタント機能『コパイロット』を教えている」と新しい技術の勉強は怠らない。5年ほど前からはネット詐欺への注意喚起もしている。 また、25年ほど前から古市ふれあい館主催のパソコン教室でも指導している。現在は月に2回、四季の森生涯学習センターで開催。受講している女性は「何回、同じことを質問しても優しく教えていただき、分からないことも必ず解決していただける。心強い」と話す。 1997年まで14年間、自治会長を務め、取り組みを全てパソコンに記録していた。4、5年前には地元の「音羽グリーンタウン」の50年史を作成したこともある。今でも総会資料作成の時期になると、自治会役員の相談に乗っている。 「教えたことを利用者が覚えてくださり、成果を見た時」にやりがいを感じる。「古市ふれあい館のパソコン教室の内容を充実したい。パソコンやバージョンが変わっても基本が大切。常に初心に戻る必要がある。文字入力、パソコンの扱い方を教えていきたい」と今後の目標を語った。
丹波新聞社