市中心部バス、運賃一律160円に…競合多く経営圧迫「競争している時代ではなくなった」
岡山市中心部のバス路線の再編に伴い、岡山市は来年10月頃から、大半の路線で運賃を一律160円にする方針を明らかにした。現行の運賃から10~40円の値上げになる見通しで、市は27日から料金改正や新たな路線バスの運行計画についてパブリックコメントを実施する。来年1月24日まで。
市によると、8社のバス路線が集中する中心部では、事業者間の競争で認可運賃より安い区間が広がっており、各社の経営を圧迫しているという。両備ホールディングスや中鉄バスなど計6社は市中心部に乗り入れている路線の運賃について、独占禁止法特例法を適用するため、来年夏頃までに共同経営計画を策定する方針。運賃100円の宇野バスを運行している宇野自動車は一律運賃に参画しない予定。
循環バス「めぐりん」を運行している八晃運輸の成石敏昭社長は「地域住民の移動手段を確保することが一番大切で、事業者間で競争をしている時代ではなくなった。この動きは全国に広がるべきだ」としている。大森雅夫市長は24日の定例記者会見で「物価高騰の折に市民に負担をおかけするが、重要な移動手段を維持するために料金改正はやむを得ないと考えている」と話した。
パブリックコメントは市交通政策課にメールや郵便などで送る。また、岡山市は新たな公共交通のシンボルマークと支線の愛称について、ホームページ上で投票を募る。問い合わせは市交通政策課(086・803・1376)。