大谷「エースで4番」に米メディア注目「前代未聞」「リトルリーグみたい」
エンゼルスの大谷翔平(23)が22日(日本時間23日)本拠地で行われたインターリーグ(交流戦)のジャイアンツ戦で「4番・DH」の抜擢を受けてスタメン出場、メジャーで初めて4番に座ったゲームで4打数1安打の結果を残した。本来チームの4番はアルバート・プホルスだが“休養”が与えられたため代役4番を務めたもの。それでも「エースで4番」をメジャーで実現した大谷の快挙を米メディアも驚きをもって報じた。ゲームは2-4で完敗したが、地元のロサンゼルス・タイムズ紙が取り上げたのも大谷の4番についてだった。 「大谷が、ジャイアンツのクエトに敗戦したゲームで4番を打った。これは公式のものだ。(チームは)変身を遂げた。大谷は、エンゼルスを自らのリトルリーグ・オールスターチームへと変貌させたのだ。日本人右腕は、チーム最高の投手の1人となるだけでは十分ではなかった。気持ちの良いスイングをする強打者は、4万4544人を集めた日曜日のエンゼルスタジアムで4番打者を務めたのだ」 リトルリーグに例えたのは、「エースで4番」はメジャーでも少年野球レベルまでの出来事だからである。米メディアらしい表現だ。 さらに同記事は、「大谷は、今シーズン最初の休みを与えられたプホルスのクリーンナップの打順に入った。これが1日のみの名場面だったとしてもかまわない。それでも印象深い。大谷は、この日、試合前にブルペンで37球を投げた。その選手が、2時間後、大リーグチームの打線の主軸に入ったのだ。前代未聞だ」と、2日後の24日(日本時間25日)のアストロズ戦の先発に備えて、試合前にブルペンで調整ピッチングを行った大谷が、その日に4番に入った快挙を驚きをもって伝えた。 そして、「たまたまプホルス選手が欠場の試合なので(4番に)入ったが、予想はあまりしていなかった」という大谷の通訳を介したコメントも紹介した。 4番に抜擢したマイク・ソーシア監督も取材されており、「(大谷の驚きも)当然だろう。もしアルバート・プホルスが打線に入っていたら大谷は4番を打っていない」と語る一方で、ここまで13試合で6、7、8番を打ち、シーズン最初の1週間で3本塁打を放った大谷に対して「主軸を打つ潜在能力がある」と断言。 「彼の打撃の質はとても良い。ストライクゾーンを広げない。打つのが難しい投手にも対応している。そして失投があれば、彼は素晴らしいスイングで球を捉えている」と続けた。 チームは、ジャイアンツの先発、ジョニー・クエト(昨季は8勝8敗)のチェンジアップと時折見せるクイック投法に苦しみ5回までノーヒットに抑えられていた。大谷も、最初の2打席は、その外角に逃げるチェンジアップに空振り三振に終わっていたが、6回無死一、二塁のチャンスには、そのチェンジアップに対応してうまくライト前へ運んで満塁にした。 記事は「先週の火曜日のレッドソックス戦で、右手の中指にまめができた大谷だが、ソーシア監督は、火曜日にヒューストンで先発すると話している」と、予定通り投手として24日(日本時間25日)に敵地のアストロズ戦に先発することを伝えている。 まだエンゼルスの公式サイトも、大谷の4番抜擢に注目。「大谷は1961年のカンザスシティー・アスレチックスのドン・ラーセン以来、初めて同じシーズンで先発として3試合に登板して、4番打者も務めた選手となった」と、「投手&4番」が、57年ぶりの快挙であったことを紹介。「この記録は今シーズンに大谷がエンゼルスでやっている二刀流が、前代未聞の出来事であることを物語っている」と記した。 ここまで大谷は、打者として11試合に出場、8番で6試合、7番で1試合、6番で2試合、4番で1試合、代打で1試合出場し、打率.333、OPS.997、3本塁打、11打点の成績を残している。同記事は「大谷はキャリアのどこかで本格的に主軸打者(4番)を務めることはあるだろうか?」と問い、「彼はその潜在能力がある」というソーシア監督のコメントで記事をまとめている。