「マツケンサンバのハッピーまちがいさがし」撮影現場で見せた、松平健のプロ意識 「待ち時間でも決して座らず…」
マツケンサンバは「希望を与えてくれる存在」。今作、次作にかける思いとは
さらに、山口さんは、現代においてマツケンサンバが広く支持されている理由を、幕末に起こった民衆運動「ええじゃないか」(※)になぞらえて考察する。 (※ 民衆が仮装するなどして囃子言葉の「ええじゃないか」等を連呼し、集団で町を練り歩きながら熱狂的に踊ったとされる騒動。一般的に、混乱が続いていた世の中の立て直しを訴える運動であったと解釈されている) 「『ええじゃないか』の“いいからとにかく踊ろう”みたいな空気って、個人的にはマツケンサンバと近しいものを感じるんです。現代も、もう長らく景気が悪くて、暗いニュースも多くて……。そんな中で、マツケンサンバの絶対的な楽しさというか、光り輝いて浮かれ騒ぐさまは、人々の気持ちを明るくし、希望を与えてくれるものなんだろうなと。加藤先生も、マツケンサンバが求められるのは、多くの人がひそかに抱いている“半歩先の欲求”をかなえてくれるような存在だからでは、とおっしゃっていました。やっぱり人間は、キラキラした世界に惹かれるんですね。 アニメや漫画においては、そういう世界も珍しくないのでしょうが、三次元に限ると、マツケンサンバは唯一無二のジャンルのエンタメであり、それが時代を越えて国民的スターであるゆえんなのかもしれません」 そんな“生けるエンタメ”である松平さんは、本書の発表会見で「脳活にいいというお医者様からのご意見もありましたし、本当にもう、世代問わず楽しんでいただける本ではないかと思います」 と自信をのぞかせた。 山口さんも、「ひとりでも十分楽しんでいただけますが、ご家族やご友人と一緒に遊んでいただくのも、おススメです。 特に、親子三世代で手に取っていただけたら嬉しいですね。夏休みに帰省するタイミングでおじいちゃんやおばあちゃんとお孫さんでやってみたり。また、ご高齢の親御さんに、お子さんから本書をプレゼントしていただくことも多いようです。まだまだ暑い日々が続きますから、ぜひ、おうち時間の充実に役立てていただけましたら幸いです」と語る。 最後に、もしまたマツケンサンバとコラボするなら、どんな企画をやってみたいか尋ねると、 「実は、本書でまだ触れていない秘密があるんです。それが、マツケンの家族構成。奥様はいるのか、子どもはいるのか……。いずれ、書籍で、オープンにできたらと思っています!」 なんと、マツケンを射止めたセニョリータまで明かされる日が来るやもしれぬとは。どこまでも奥が深いマツケンサンバの世界に、我々は今後もどっぷり浸ることになりそうだ。オレ!! 【INFORMATION】 『マツケンサンバのハッピーまちがいさがし』(松平健著/幻冬舎刊) 定価:1700円+税 A4オールカラー/80頁 《特典》人生は間違いさがしのようなものシール 封入 (取材・文/篠宮 明里) *** 【前編】では、他に類を見ない「マツケンサンバのハッピーまちがいさがし」が誕生するに至った経緯などについて、詳しく紹介しています。 松平 健(まつだいら・けん) 1953年11月28日生まれ、愛知県出身。’75年にドラマ『座頭市物語 心中あいや節』でデビュー。’78年にドラマ『暴れん坊将軍』の徳川吉宗役に抜擢され、大ブレイク。同シリーズは12作を重ね、放送終了後も人気を誇る。『利家とまつ』『鎌倉殿の13人』などの大河ドラマにも出演。また、’04年にCDを発売した「マツケンサンバII」で紅白歌合戦の出場を果たし、日本レコード大賞特別賞を受賞。令和に入りマツケンサンバは改めて幅広い年代から支持され、第2次ブームを起こしている。 デイリー新潮編集部
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