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10月1日、イランはイスラエルに対し、大規模なミサイル攻撃をおこなった。イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」への攻撃に対する報復だとされる。 【画像】10月1日夜、イラン上空を避けて飛ぶ飛行機の様子 この攻撃により、イランのみならず、ヨルダン、イラクなどの近隣国が領空を閉鎖。上空を飛行していた各国航空会社は、乗客・乗員の安全確保のため、飛行ルートや目的地の変更を余儀なくされた。 ヨーロッパメディア「ユーロニュース」は、航空交通ウェブサイト「フライトレーダー24」の情報をもとに、同日、16の航空会社の運航する81便が当初の目的地とは違う空港に着陸したと伝えた。なかでも、「最も大きな影響受けた航空会社は、カタール航空やエミレーツ航空といった中東航空会社」で、空港では「トルコのイスタンブール空港が19便の目的地変更による着陸があり」、混乱が生じたという。 また、ルフトハンザドイツ航空のインド便とドバイ便、少なくとも3便がヨーロッパに向けて引き返し、スイス インターナショナル エアラインズのドバイ便も、イラン領空に入る直前でトルコのアンタルヤ空港へ目的地を変更した。

広がる影響

その後、同日中に飛行制限が解除された空港もある。ヨルダンとイラクは、現地時間の10月1日深夜には閉鎖を解いたが、この地域を通過する航空機はほとんどなかった。イランはイスラエルによる報復の可能性から、領空の閉鎖を延長している。 英「ロイター」通信によると、欧州航空安全機関（EASA）は10月2日、イスラエルによる報復攻撃の懸念から、航空会社に対し、すべての飛行レベルでイラン領空を回避するよう紛争地域情報速報を発表した。EASAは9月にも、イスラエルとレバノン上空を通らないよう勧告する同様の通達を2度出している。 紛争激化に伴う混乱への懸念は、旅行・航空業界の株価にも打撃を与えた。欧州最大の旅行会社TUIの株価はこの日、5%近く下落、ルフトハンザドイツ航空も4.4%下落したとロイターは報じる。 旅客便利用客への影響は、迂回によるフライト時間の延長や、燃油コストの追加に伴う運賃の上昇などが挙げられる。2022年2月のウクライナ侵攻開始以降、多くの航空会社がロシア上空を飛行できず、ブリティッシュ・エアウェイズやフィンエアーは、アジア～ヨーロッパ間を結ぶ便の飛行時間を最大4時間延長している。 航空便の利用者は、事前に飛行経路を調べることはできないが、前日や過去の飛行経路、飛行時間を確認し、飛行時間の延長に備えることは可能だ。