「疾病X」はマラリアかウィルス性感染症か-アフリカ保健当局が仮説
(ブルームバーグ): コンゴ民主共和国(旧ザイール)で数百人の患者を出し、「疾病X」とも呼ばれた感染症について、アフリカ疾病対策予防管理センターの担当者は19日、保健当局は重度のマラリアか、ウイルス性感染症の2つの仮説を立てていると明らかにした。
アフリカ疾病対策予防管理センターのエムポックス(サル痘)危機管理責任者を務める担当者は説明会で、いずれの仮説の場合も、栄養失調が背景にあると述べた。出血熱を患う成人男性患者の死亡も報告されたという。
10月以降に確認されたこの原因不明の疾患の患者500人以上の大半は、食料不足により体力が弱っている5歳未満の子供が大半だ。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からわずか数年で、新たな病原体が世界的に広がる可能性があるという懸念が、コンゴ南西部クワンゴ州での流行を機に再び高まっている。この病気の初期の報告では、空気感染の可能性が指摘されていた。
同州パンジ保健区域で最初に報告されたこの感染症を巡っては、発生から5週間以上経った12月1日に、コンゴ当局に警告が発せられた。 発生地区から約700キロ離れた首都キンシャサの国立研究所で、良質なサンプルを入手することが難しかったため、患者の検体の特定が遅れた。 道路状況も悪く、最近の大雨により、同区域からキンシャサまでの移動は2-3日かかる。
コンゴは世界の熱帯雨林の10%を抱える国で、世界最貧国のひとつでもある。 人間と動物との接触が増えるにつれ、この地域の感染したネズミやコウモリから人へ、エムポックスやマールブルグ病などの疾病が広がるケースが増えている。
原題:‘Disease X’ in Congo Is Mix of Illnesses That’s Turned Deadly(抜粋)
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Janice Kew, Michael J Kavanagh