横浜DeNA関根選手「誹謗中傷」に徹底抗戦 開示請求が認められ…“投稿者”に待ち受ける代償とは?
誹謗中傷とヤジのボーダーライン
しかし、今回の情報開示の対象となった投稿には、「死ね」など、明らかに一線を越えるような文言もあるが、「インチキ」などテレビの前で思わず言ってしまいそうなヤジもある。情報開示の対象となる投稿とは一体どういったものなのか。 杉山弁護士によれば、「批判対象者が何をしていたかに基づいて受忍限度(※)も変わってくるので一概には言えない」という。 ※被害の程度が社会通念上我慢できる範囲のこと。 「たとえば、普段から他人を強い言葉で攻撃していた人に対する投稿なら、今回のような言葉でも違法にならない場合があります。ただし、関根選手のように“ただスポーツをプレイしている人”を相手に使う言葉としては、ネットで飛び交う強い言葉は違法になりやすいと思います」(杉山弁護士)
DMより投稿のほうが違法性帯びやすい
関根選手から開示請求された投稿者は、いずれも直接非公開の私信を送る「DM」ではなく、誹謗中傷の「投稿」をしていた。 過去にDMで送られてきた誹謗中傷を公開したこともある関根選手だが、なぜ「投稿」した人を開示請求の対象にしたのだろうか。 関根選手の“真意”はわからないが、杉山弁護士は「投稿やリプライのようにインプレッション(表示回数)が発生するものの方が違法になりやすい」として、以下のように説明する。 「誹謗中傷に関する“違法”の種類には『名誉毀損』『侮辱』『名誉感情侵害』があります。 名誉毀損と侮辱は刑法犯にもなるもので、これらと名誉感情侵害の違いは、多数に伝えて“社会的評価”を落としているかどうかです。基本的に法律では、多くの人に伝えて社会的評価の低下度合いが高いほど違法性を帯びやすくなります。つまり個人間のDMだと多数には伝えていないので、名誉毀損や侮辱には当たらないと判断される可能性があるのです」 とはいえ過去には、インスタグラムのDMで誹謗中傷を受けていた西武ライオンズ・源田壮亮選手の妻で元乃木坂46の衛藤美彩さんが行った情報開示請求が認められており、「DMであれば誹謗中傷を行っていい」ということでは決してない。