フルタ製菓、カカオ豆の歴史的高騰の中で成長と継続を志向 「激動の時代、変化に真正面から取り組む」古田社長が意欲
フルタ製菓は65期となる今期(3月期)、「生クリームチョコ」など主力チョコレート商品の主原料であるカカオ豆が歴史的に高騰する中、売上拡大と収益確保を目指していく。 今期売上高はフルタ製菓単体で前年比11%増の250億円、2022年にグループ入りした杉本屋製菓を加えたグループ計で11%増の280億円を計画する。売上利益率は10%を目標に掲げる。 8月2日、フルタ製菓創業72周年記念式典で冒頭挨拶した古田盛彦社長は「お得意先様からご評価いただいている強い商品をより強くしていくことに加えて、原材料・為替・経済・金利が激しく動く激動の時代、変化に対して真正面から取り組む」と意欲をのぞかせる。
古田社長は、企業の使命に成長と継続を挙げる。 「2022年に創業70周年を迎えて以降、第二の創業と位置付け、全社員一同、今まで以上に元気に明るく前進していくことを強く願っている」と力を込める。 強みに磨きをかける取り組みとして、ファミリーチョコレート・ポケット菓子・チョコエッグ・焼き菓子の4本柱に加えて、業務用チョコレート事業と杉本屋製菓の事業に注力する。 ファミリーチョコでは引き続き「生クリームチョコ」「柿の種チョコ」に軸足を置く。 ポケット菓子は、「セコイヤチョコレート」に加え、フルタ製菓と杉本屋製菓の共同商品となる「クレヨンしんちゃんシールグミ」などに磨きをかける。 「杉本屋製菓は、ようかんやグミなどフルタ製菓にはない商品をたくさん持っている。これからはフルタ製菓と杉本屋製菓の総合力を活かした商品の提案が期待されている」とみている。 業務用チョコは主にアイスクリーム用の専用チョコを手掛ける。
前期売上高はフルタ製菓単体で前々期比6%増の225億円。グループ計では251億円に達し、創業以来初の250億円の大台を突破した。 今期出足も上々。「この7月、113%の成長で進んでいる」と語る。 乾重一営業本部顧問は総会の中締めの挨拶で「もっともっと頑張る。社長は280億円と申し上げたが、5年先には500億円。フルタ製菓のモットーは“売って売って売りまくる”。これを今後も実行していく」と述べ会場を沸かせた。 記念式典に先立ち開催された第58回フルタ会総会では、古田鶴彦会長が「“幹より太い枝はなし”会社の業績を上げるのはリーダー、幹部が率先垂範することで決まる。先頭に立って実行すること、見せることが一番肝心なことだと思っている」とコメントを寄せた。