杉咲花&若葉竜也にハマる人続出!『アンメット』人気の理由は? カンテレ・米田プロデューサーに撮影裏話を聞く
「ずっと見ていられる」杉咲&若葉の掛け合い
――杉咲さんと若葉さんのお二人はいかがでしたか。 米田P:杉咲さんからは、「内に秘めた人間の強さ」を感じます。彼女は何でもやってのける人ではあるんですが、その中でも、自分の障害と向き合いながらも、人前では軽やかに振る舞うミヤビの像とすごく重なる部分がありました。 三瓶役の若葉竜也さんは元々すごい人だと感じていましたが、『おちょやん』で二人がお芝居している姿を見て、この二人のやり取りはずっと見ていられるなと思いました。お二人の実力が非常に良い形で発揮していただけて嬉しいです。 ――お二人の自然な演技が評判ですが、役作りはどのように行っていますか? 米田P:役作りというより、二人はミヤビと三瓶という人間を、感情から言葉遣い、所作に至るまで身体に染み込ませているような感じです。例えばミヤビの日記も、映像に映らない部分も含めてかなりの分量を本人が書いています。これは脚本を元に僕が原稿を作り、ミヤビならこう書くだろう、何をどこまで書くだろうと杉咲さんとキャッチボールして修正しながら構築していったものです。日記だけでなく、そういったことの積み重ねがミヤビや三瓶を身近にいる人のように感じさせるのかもしれません。現場でも日々いろいろなディスカッションが行われています。 ――小物1つとっても、こだわっているのですね。 米田P:わかりやすいものだと三瓶先生のグミは、どういう形状のものだったら面白いかをあれこれ監督が模索して見つけました。大迫教授は枯れた植物や持て余した植物を預かって再生させることが好きな人で、教授室の中でも「まだ枯れているゾーン」と「元気になったゾーン」が実は分かれています。
ミヤビたちが通う病院や居酒屋のロケ地は?
――映画のような撮り方も注目されています。 米田P:テレビドラマとして楽しんでもらえることが大前提ですが、Netflixなどいろいろな媒体で並んだ時に見劣りしないよう、質感にこだわりたいという気持ちは当初からありました。エンターテインメントのあり方が時代とともに変わっていく中でどういう形がベストなのかを模索していった結果、普段やっている民放連ドラの規模感ではなかなかできないようなスタッフ・機材とともに作り上げています。個人的には映画畑の技術チームとドラマ畑の美術・制作・演出部がごっちゃになって作っているのが面白いですね。韓国でも評判はいいと聞いています。 ――ロケ地はどのように選ばれましたか。 米田P:病院は複数の施設をお借りして撮影しています。丘陵セントラル病院に使っている彩の国東大宮メディカルセンターはYuki Saito監督がロケハンに行って会心の表情で帰ってきました(笑)院長のお考えで、木目調の明るく温かみのある作りにしていて、建物の空気感が丘陵セントラルにすごく合うなとなりました。対する関東医大は近代的でちょっと大きい硬質な建物。画(え)としても効果が出ていると思います。 ――ミヤビたちが仕事終わりに集まる居酒屋も印象的です。 米田P:ここは結構迷いました。あれだけ登場数が多いとセットで作るという手もありますが、リアルな場所に勝るセットは難しいということで、実際に営業しているさいたま市内の店をお借りしました。店内の雰囲気もぴったりで、大きな水槽があるのも含めて、写真を見た時点でこれは来たなと。結構な人数のシーンになるので広さを心配していましたが、検証したら撮影可能ではないかと判断して決定しました。病院もお店も感謝してもしきれないです。