河南、前回王者の大冠を下し初戴冠
第2回大阪公立高校大会は12日、J-GREEN堺で決勝を行ない、大冠と河南が対戦。前後半に1点ずつ奪った河南が2-1で勝利し、参加した116校104チームの頂点に立った。 【フォトギャラリー】大冠 vs 河南 公立高校サッカー大会は公式戦がない冬場を利用し、選手のモチベーションアップやインターハイ予選に向けたチーム強化を目的に昨年度からスタート。予選リーグを経て、決勝トーナメントを行なうことで多くのチームが公式戦さながらの緊張感を持った試合に挑めることが特徴だ。 近年は他県と同じく、インターハイと選手権では上位進出を私立が占めている。「インターハイや選手権で優勝するのは公立高校にとって難しい。優勝という物が手に届く所にあることは一つモチベーションになった」。大冠の主将MF2佐々木來夢(2年)が口にした通り、タイトルを身近に感じることができると練習に取り組む目の色も変わる。 連覇をかけて今大会に挑んだ大冠はGK31山本誠士郎(2年)、DF55戸島大輔(2年)、43赤瀬大空(2年)、36亀川拓夢(2年)、27岡田悠(2年)、MF佐々木、10藤谷奏太(1年)、77河野陽(2年)、6栗野康正(2年)、5鳥越一輝(2年)、FW39高橋琉空(2年)の並びでスタート。対する河南はGK1野村琉人(2年)、DF2明星凜空(2年)、3瀬形悠真(2年)、18成田隼(2年)、15石河秀道(2年)、MF14尾崎琉希(2年)、7上出晟也(2年)、8小川麟太郎(2年)、6牧野響幹(2年)、10佐藤和善(2年)、FW9松井涼之介(2年)で試合に入った。 タイトルをかけた一戦とあって立ち上がりは拮抗した展開が続く。前半4分には河南が見せ場を作る。クリアボールを松井が前線でおさめて右サイドに展開すると、小川がクロスを上げたが、シュートは打ち切れない。このカウンターから大冠が相手エリア陣内に攻め込むと、栗野が前に出てGKを見てロングシュートを狙ったが、枠を捉えることができない。 時間の経過とともに河南が試合の主導権を握り始める。「大冠は応援が凄かったけど、ピッチの中での声は負けないように意識していました。自分はゲームキャプテンとして一番声を出そうと前から決めていました」。そう振り返るゲームキャプテンの成田が最終ラインからコーチングでチームを先導。加えて、奪ったら素早く攻撃に転じる大冠に対しても「相手CBがキックモーションになった瞬間、バックラインと中盤を落として対応しようと意識していた」(成田)。 マイボールにしてからは突破力に秀でた上出と佐藤の両翼に展開し、SBの攻撃参加を交えながら攻め込むと20分には右サイドを抜けた上出のクロスから牧野がシュートを放った。試合が動いたのは25分。上出が明星との連携で右サイドを崩してゴール前に入れる。ファーサイドから中に入った佐藤のシュートはGKに阻まれたが、牧野が押し込み、河南が均衡を崩した。 「前からのプレスがもっと連動してできていたら、前で奪えてショートカウンターを狙えていた。そこが自分たちの強みだったのですが、なかなかできなかった。奪ってから速く攻めようと意識していたのですが、奪ったボールを1個繋ぐことが前半はできていなかった」。佐々木がそう振り返る大冠も意地を見せ、前半終了間際の35分には右サイドのスローインから栗野がゴール前に入った所を倒され、PKを獲得。このチャンスを佐々木が冷静に決めて、同点でハーフタイムを迎えた。