河南、前回王者の大冠を下し初戴冠
悔いの残る形での失点となったが、河南の選手に焦りの色は見られない。「前半は0-0で帰ってきたら良いという気持ちでやっていた。サッカーは最後に1点でも多く取ったチームの勝ちという気持ちで、声をかけていたから落ちなかった」(成田)。後半に入ってからは上出を左サイドに回し、右サイドにはFW19米原優紀(2年)を投入。前半よりもシンプルに上げ切る意識を高めて2点目を狙いに行く。 すると、後半13分には右サイドでの仕掛けからCKを獲得。ゴール前に入れた左足クロスが成田に当たってゴールネットに吸い込まれた。試合終盤は同点弾を狙った大冠がGKを上げたパワープレーに出たが冷静な守備対応で逃げ切り、初優勝を掴んだ。 「河南は声や雰囲気で負けていないと自信を持てた。私立は上手いけど声は私立も公立も関係ない。声の部分では絶対に負けたくない」。今大会で得た収穫について成田はそう口にする。同時に、他県には少ない公立大会という取り組みを大事にしてきたとも続ける。「この素晴らしいピッチでプレーできるということはたくさんの大人が動いてくださったから。そうしたことに感謝することを自分たちは日頃から意識してきた。感謝の気持ちをプレーに出せたのかなと思います」。 タイトルを掴んだ勢いで挑むのはインターハイ、選手権での上位進出。成田は「大阪は私立のレベルが高いのですが、インターハイと選手権では私立を倒して一つでも上に行けたら」と意気込んだ。 (文・写真=森田将義)