家を購入予定です。住宅ローン控除が受けられない新築住宅があるって本当ですか?
住宅ローンを利用して住宅を新築したり、取得したりした場合などに、住宅ローンの年末残高に応じて一定の税額控除を受けることができる「住宅借入金等特別控除」(以下、住宅ローン控除という)は、多くの方が利用する税制面の優遇制度です。 最大で13年間と長期にわたり、所得税の還付などを受けることができるため、利用者にとっては「メリットを享受している」と実感しやすい制度の1つといえるでしょう。 この記事では、2024年以降に住宅を取得しようと考えている方々に向けて、適用範囲の変更点や注意点などについて、確認してみたいと思います。
2024年1月時点での住宅ローン控除
住宅ローン控除の借入限度額や控除期間は、その住宅への入居年に応じて定められています。基本的には、2025年までに入居した住宅を対象として、控除率は0.7%、控除期間は新築住宅等の場合最大13年、中古住宅の場合は最大10年となります。 その上で、住宅の環境性能等に応じた住宅(認定住宅等)に対して、借入限度額の上乗せ措置が講じられています。認定住宅等は、図表1にも記載のとおり、以下のものがあります。 ●認定長期優良住宅 ●低炭素建築物 ●低炭素建築物とみなされる特定建築物 ●特定エネルギー消費性能向上住宅(ZEH水準省エネ住宅) ●エネルギー消費性能向上住宅(省エネ基準適合住宅) これらの認定住宅等の適用に応じて、それぞれ借入限度額は異なりますが、2024年以降に入居した場合には、それぞれ2023年までの場合よりも500万円から1000万円程度減額されています。 また、上記以外の住宅は「一般の新築住宅(その他の住宅)」に分類され、2024年以降は原則として住宅ローン控除の適用対象外となります。
2024年1月以降の新築住宅は、省エネ基準の適用が必要
2024年1月以降に建築確認を受けて新築された住宅について、住宅ローン控除を受けるためには、「省エネ基準」に適合していることが必須要件となります。そして、2024年1月以降に入居する場合には、「省エネ基準適合住宅」であることの証明書が必要となります。 例外として、2023年12月31日までに建築確認を受けており、2024年6月30日までに竣工済みであれば、該当の新築住宅が省エネ基準に適合しない「その他の住宅」であり、かつ2024年1月以降に入居した場合でも、住宅ローンの適用対象となります。ただし、この場合の借入限度額は2000万円で、控除期間は10年となります。 図表1 住宅を新築等した場合の借入限度額、控除期間等