県に「警告決議」提出へ 米事務所、違法状態の是正要求 野党、百条委設置視野
沖縄県ワシントン駐在事務所の実態が株式会社だった問題で、自民、公明、維新3会派が設置したプロジェクトチーム座長の大浜一郎県議(自民)らは18日、県議会で記者会見し、県に違法状態の是正を求める「警告決議」を県議会11月定例会の最終本会議に上程すると明らかにした。ワシントン事務所設立の際に県が支出した出資金が県議会の議決を経ていないとして、追認議案の提出も要求した。県の対応次第では、強力な調査権を持つ地方自治法の百条委員会設置も視野に入れる。 県議会では現在、野党勢力が多数を占めており「警告決議」が提案されれば可決は確実な情勢。来年の県議会2月定例会にはワシントン駐在事務所の経費を盛り込んだ新年度予算案が提出されるが、事務所存続は厳しい状況になりつつある。 県は2015年、ワシントン駐在事務所を米国で株式会社「ワシントンDCオフィス」として設立する際、出資金千ドルを「出資金」と明示しないまま、委託料の一部として支出した。 大浜氏は「議会としても出資金とは認識していなかった。予算は議決で承認とみなされるから、改めて議決を得る必要がある」と指摘した。 事務所を巡っては、県が株式を公有財産として登録せず、議会に対する経営状況の報告を怠った地方自治法違反の状態が判明。公務員である駐在員2人が会社役員の身分を兼ねるにもかかわらず、営利企業従事許可を得ていない地方公務員法違反の状態であることも県は認めている。 大浜氏は「警告決議を提案し、法律上の問題について早急に是正を求める。百条委員会設置を視野に、ステージを上げなくてはならないかも知れない」と述べた。その上で「県のガバナンス(統治能力)が全くなっていない。県政としてみっともない」と批判した。 座波一県議(自民)は「違法状態が治癒されないで次の審議ができるのか」と疑問視。事務所は翁長雄志前知事の時代に設置されたが「(玉城デニー)知事も知事公室長も『知らなかった』と言っている。それで済まされるのか」と述べた。 新垣淑豊県議(自民)は「われわれもしっかりと議決をし直さないといけない。公務員の身分と会社役員の身分が混ざることは有り得ない」と訴えた。 県議会11月定例会の最終本会議は20日に開かれる。