バイクの水平対向2気筒エンジン、転倒の際にエンジンが壊れたりしないの?
左右に張り出した個性的エンジン!転んだ時に壊れないのか
バイクのエンジンのシリンダー配列にはさまざまな種類があります。単気筒、2気筒、4気筒など気筒数の違いや、V型2気筒、直列2気筒など配置場所の違いなどを考慮すると、現在市販されているだけでも10種類以上。 【画像】これはカッコイイ!水平対向2気筒エンジン搭載車の画像を見る(10枚) その中でも一際異彩を放つのが水平対向2気筒エンジン。
現在、国内で新車購入できる水平対向2気筒エンジンを搭載したバイクはBMW製のみです。BMWは1923年に同社として初となるバイク「R32」を発売して以降、水平対向2気筒エンジンを搭載したバイクを生産し続けてきました。 現在でもRシリーズとしてアドベンチャー、ロードスポーツ、クルーザーなど幅広いジャンルで水平対向2気筒エンジンを採用したバイクを生産しています。 水平対向エンジンの大きな特徴は、左右に張り出したシリンダー。ホンダ「GB350」のような一般的なバイクであれば縦に配置されるシリンダーが、横に寝た状態で左右にそれぞれ配置されています。 また、水平対向エンジンは左右のシリンダーがそれぞれの振動を打ち消すため、振動が少なくなりやすい傾向にあります。空冷エンジンの場合はふたつのシリンダーに等しく走行風があたるため、均等に冷却することができます。 そんな水平対向エンジンの独特な魅力に惹かれ、購入を検討している人も多いでしょう。しかし水平対向エンジンのバイクを見た時、多くの人が疑問に感じることがあります。
転倒時のエンジンへのダメージは?
左右に貼り出した形をしているシリンダーは、転倒時に真っ先に地面と接触することが予想されるもの。バイク用のエンジンは精密部品で構成されており、転倒時のダメージで走行不能になってしまうのではないか、と不安に感じる人は多いはず。
実際、転倒した時のエンジンへのダメージは大きいのでしょうか。販売店の担当者は、以下のように話します。 「BMWのエンジンは万が一転倒した時に道路の上を滑りやすいようになっています。そのため転倒した際でも衝撃を受け流すことでダメージを受けにくく、表面のカバーだけが削れることが多いです。むしろ、貼り出したエンジンがあることによって、転倒した際に脚や身体が挟まりにくく、脱出しやすくなるという特徴もあります」 BMWの水平対向2気筒エンジンにおいては、シリンダーヘッドカバーがレース用のバイクなどに取り付けられるエンジンスライダーのような役割を果たしているとのこと。また、転倒時に脱出しやすいというのは大きなメリットかもしれません。 もちろん、シリンダーヘッドカバーの交換には最低でも数万円の費用が必要になるはず。シリンダーヘッドカバーに傷をつけないよう、何らかの対策をしたいという人もいるでしょう。 先ほどの担当者は次のように話します。