幽霊にウキウキする右京が可愛い…ドラマ『相棒 season23』オカルト回で発揮される右京の隠れた魅力とは? レビュー
毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season23』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ” が帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第5話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】幽霊にウキウキする右京がかわいい…。貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『相棒 season23』劇中カット一覧
オカルトや社会派何でもありの『相棒』らしい回
亀山薫「ホタルが体を光らせるのは何の為だかご存知ですか?自分の存在をアピールする為なんですよ」 『相棒』S23第5話「幽霊ホテル」は“家族愛”をテーマにしながらもオカルトや社会派など何でもアリな『相棒』らしい作品だった。 脚本家はS3からS7までを描き、S20から『相棒』に復帰した脚本家である岩下悠子だ。 彼女はファンの間で亀山薫の描き方が上手く、今回もその評判に違わず杉下右京以上の“虫博士”っぷり、そして強い優しさを見せてくれた。 そんな今回の物語は幽霊が出ると評判のホテルで清掃員である宮原が殺害され、その犯人を探すというもの。何故か宮原は“スマトラシジミ”という蝶を握った状態で死亡しており、彼の謎めいた死と、“スマトラシジミ”を探す中井雫という昆虫大好き少女の秘密を探っていくという構成だ。
宮崎莉里沙が演じた中井雫のいじらしさ
そんな今回の見所は2つ。 1つ目は、2016年生まれの宮崎莉里沙が演じた中井雫のいじらしさだ。 彼女は半年前から呼吸器疾患を患っており、療養の為に母親とホテル暮らしをしている。そして父親は毎週末欠かさず娘の為に足を運んで優しく療養に協力する。 雫の両親は彼女が呼吸器疾患になる以前から別居状態で、きわめて仲が悪かった。父も母も大好きな雫は、療養中に週1で家族が揃うことを喜んでおり、自身の病が完治したらその幸せが壊れてしまうのでは思った結果、薬を飲まなかったり空気の環境を悪くしたりと治療を拒否するようになってしまう。 最終的には特命係とホテル支配人である織田の活躍で、雫の本意が両親に伝わり、家族再生の希望を抱かせるような終わりとなっている。 将来昆虫学者を目指し特命係以上に昆虫に詳しいというキャラクターに注目が集まりがちだが、年相応に繊細な一面があるのが素敵だ。 過去にはシーズン2「神隠し」でDVや不倫によって険悪な関係にある両親に改心してもらうため、年若い娘が神父やホームレスに協力してもらい、一大狂言誘拐事件を引き起こすというエピソードがあり、今回はこのエピソードを思い起こさせた。 長年『相棒』を観ていると、時代が移り変わっても人間の本質は変わらないということを強く感じさせられることが多い。