米フォーブス選「世界を変える30歳未満」、新世代スタートアップに投資する若き投資家
フォーブスは12月初旬、毎年恒例の「30 UNDER 30」リストの2025年版を発表した。今年で14回目となるこのリストは、ビジネスやカルチャー、起業を通じて意義ある変革を生み出している北米の20の分野の30歳未満のリーダーたちを称えるものだ。 ここでは、本年度のリストのベンチャーキャピタリスト部門の受賞者を紹介する。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で映画を学んだ後にグラフィックデザイナーへ転身したモリー・ミエルケが、2021年にVC(ベンチャーキャピタル)の「Moth Fund」を設立すると決めたとき、周囲の人々は驚いた。「私が投資家に見えないのは確かです」と、現在24歳のミエルケは語る。「私は、初期段階のテクノロジー関連のスタートアップの支援に注力するようになりました」 ミエルケは、持ち前の粘り強さで道を切り開いた。彼女が初めて立ち上げたファンドのMoth Fundは、600万ドル(約9億4000万円)の資金を、アンドリーセン・ホロウィッツのマーク・アンドリーセンやコインベースの共同創業者のフレッド・アーサム、人工知能(AI)関連の投資家のダニエル・グロスなどから調達した。 ミエルケはこれまで36の企業に出資しており、そこには電動スクーター企業のInfinite Machineや、ロボット食器洗浄機のArmstrongなどが含まれている。彼女は、すでに2つ目のファンドからの投資を始めており、今後数年間でさらに積極的に投資を行う計画だ。 VC投資家の役割は、スタートアップが成長するための資金を提供することだが、今年の30 UNDER 30の受賞者には、経営に深く関与するハンズオンのアプローチをとる者もいる。メンローベンチャーズのスタートアップ部門であるMenlo Labsの戦略と運営を担う29歳のミシェル・アグイニスは、Squint.aiなどの8社の立ち上げを支援してきた。また、次世代の起業家を支援するNeoでは、26歳のエミリー・コーエンがNeo Acceleratorを率いて、毎年20社の初期段階のスタートアップを支援する3カ月間のプログラムを実施している。グレイロックのパートナーの29歳のコリーン・ライリーも同様のプログラムを立ち上げた。