ひと際輝く「プロトタイプ」エンブレムのレプリカ!! “60周年アニバーサリーモデル”を目指したカスタムワールド
あくまで参考出品車なのがプロトタイプモデル
モーターショーで発表される「参考出品車」と呼ばれるモデルには、大きくわけて3タイプあると言われています。 【画像】本物を超える仕上がり!? スーパーカブ生誕60周年+シリーズ累計1億台突破記念のプロトタイプレプリカカスタムを画像で見る(15枚) メーカーとしての方向性や考え方を実車両として製作イメージしたプロトタイプモデル、将来的に市販を予定している試作車をそのまま展示発表した参考出品モデル、そして将来的な市販予定車両を、暫定仕様でショーに展示し、会場での評判や評価を取りまとめたうえで、新たに細部仕様を検討し直し市販化される参考出品モデルなどなど、大きく分けると、その3つの方向性があるようです。
例えば、過去のモーターショーを振り返ると、水冷2ストロークのモトクロッサーエンジンを、アルミフレームのロードバイクに搭載した、極めて尖ったスーパースポーツモデルの参考出品車もありました。それはまさしく「バブル時代」真っ只中に企画されたプロトタイプモデルでした。 また「エコな時代」と呼ばれる頃になると、家庭用の簡易型ガスコンロ用ボンベをカートリッジタンクの如くバイクへ差し込み、プロパンガス燃料で走るプロトタイプモデルも登場しました。 さらには、過去にヒットセールスを記録した歴代市販モデルのデザインイメージに、水冷並列6気筒エンジンを搭載したプロトタイプモデルもありました。バイクファン好きからは注目され、話題にもなりましたが、当時の世の中的には「まさか今の時代に6気筒は発売されないよね~」との推測が先行し、市販化に対する期待感はほぼ無いプロトタイプモデルでもありました。 現代でも、そのような参考出品モデルは登場しています。90年代にカスタムモンキーで話題になり市販化された「電動タービン」を搭載したターボチャージャーモデルがありました。そんな仕様車をバイクメーカーが提案するのだから、性能的な期待値は高いと思います、という、カスタムマシン的発想の延長線上にあるとしか思えないとのお話しもあります。一方で、今の時代に軽二輪枠の250ccエンジンで、4気筒エンジンモデルは「出ないでしょう!?」といった印象を、大きく覆したカワサキ「Ninja ZX-25R」もあります。 それらのモデルと比べれば、信ぴょう性があり、誰もが発売されるだろうと考えたのが、2017年のモーターショーで参考出品された、スーパーカブ110ベースの「生誕60周年+シリーズ累計1億台突破記念モデル」の参考出品車でした。 ところが、市販車として発表されたモデルは、凝ったカラーリングでインパクトが大きかったメタルフレークゴールドではなく、日頃から働くバイクとして見掛けることが多い、郵便配達仕様車と似た赤色ボディのスーパーカブでした。 ショー会場で見たことで大きなインパクトを受け、数日後には、そのスーパーカブを目当てに、もう一度見ておきたいとショー会場に脚を運んだファンもいました。このスーパーカブ生誕60周年+シリーズ累計1億台突破記念のプロトタイプレプリカの製作者であり、ペイント工房「GEMZ KOLOR」を主宰する、マシンオーナーでもある木村さんが、まさにそんなひとりでした。