宮城がオリックス救った!50日ぶり1軍マウンドで復活星5回0封 四回終了後、中嶋監督に続投直訴
(パ・リーグ、オリックス3-1ソフトバンク、10回戦、ソフトバンク6勝3敗1分、27日、京セラ)渾身のガッツポーズがナインを奮い立たせた。これぞエースの意地とプライドだ。50日ぶりに1軍で先発したオリックス・宮城が鬼気迫る投球で連敗を止め、自力優勝の可能性が消滅したばかりのチームを救った。 「すごく投げやすかったですし、みなさんの応援のおかげで勝つことができました!」 お立ち台で見せた屈託のない笑顔とは対照的に、マウンドでは闘志がみなぎっていた。最大の山場は四回。4番・山川に許した左翼線二塁打と四球で2死一、二塁とピンチを迎えたが、甲斐をチェンジアップで空振り三振に仕留めて雄たけびを上げた。 「ベストボールだった。ゼロで抑えるのと点を取られて帰ってくるのでは雰囲気も全然違う」 四回終了時点での球数は70球。けがからの復帰登板ということもあり、当初の予定ではここでお役御免のはずだったが、中嶋監督に続投を直訴。左腕の状態を心配した指揮官は「本当はやっちゃいけないことだぞ」と言葉をかけながらも男気をくみ、五回のマウンドに送り込んだ。宮城もきっちり三者凡退で攻撃を終わらせ、5回85球、2安打無失点で67日ぶりに白星をつかんだ。 初めて開幕投手を務めた今季は受難の連続だった。試合前時点で6試合の登板で防御率1・70ながら2勝4敗と黒星が先行。チームも低空飛行が続いた。5月10日には左大胸筋の筋損傷で登録抹消。プロ5年のキャリアで初の長期離脱だった。最初は投げることすらままならず、もどかしい思いも味わった。「投げられないし、普通の練習ができない。そんな日々が続くとやっぱり面白くない。でも、投げれるようになってからは新たな野球の楽しさに気づけた」。投げる喜びを再認識した左腕が再び1軍の舞台で輝いた。 「チームが勝つことが大事。少しでも連勝を多くしたい」 故障から復活したエースが巻き返しを図るチームの先頭に立つ。(織原祥平)