キャロウェイ『パラダイム Aiスモーク Ti 340 ミニドライバー』は「テーラーメイド」の“ミニドラ”は何が違う?【ヘッドデータ分析で判明】
操作性抜群の小ぶりヘッド!
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは11.5度、シャフトは「TENSEI 60」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。 クラブ重量は322.5グラムと非常に重いですが、クラブ長さが43.13インチと「短い」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが285万g・㎠に抑えられ、計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが「42m/s」くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。 ヘッドは全体的に丸型のオーソドックスな形状で、時計の文字盤の1時、2時方向に張り出し感があり、ボールをつかまえ過ぎないイメージが出ています。そして1.0度のオープンフェース設定で丸みの少ない平らなフェース面も特徴です。
実際に試打したところ、アドレスでは体積335ccと22~23年くらい前のドライバーと同じサイズ感で小ぶりに感じ、通常のドライバーよりも低いティーアップで打つとミートしやすく、またライ角がフラットなおかげでボールがつかまり過ぎるイメージもありません。 試打シャフトはやや軟らかめの設定でスウィングしやすく、インパクト音は落ち着いていて気持ちよかったです。 ドライバーとしては小さくシャローなヘッドですが、リアルロフト角設定は厳しくなく標準的です。重心が「やや高重心設定」になっているおかげで、適度にスピンが入って弾道は安定しやすく、ボールが上がりやすいです。 ヘッドが小さい関係で最近のドライバーの主流である大慣性モーメントヘッドとは異なり、慣性モーメントが小さく、芯を外したミスヒットのやさしさを目指した設計ではないことが分かります。ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが小さいので、ダウンスウィングでヘッドを操作しやすく、ドロー、フェードと打ち分けがしやすいです。またナチュラルに意識せず打つと、アドレスのイメージ通りにフェード系が打ちやすかったです。 通常のドライバーよりも15~20ヤードくらい飛距離は落ちますが、クラブの長さが短いおかげでミートしやすく、適度なスピンも入って弾道が揃いやすい特徴もあります。これらを踏まえると、ドライバーだとOBしやすいような狭いホールでプレーが多いゴルファーにとっては、狭いホールのティーショット用のセカンドドライバーとしてセッティングするのもいいでしょう。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年10月1日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト
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