“未完の大器”安楽が楽天の救世主?
久米島キャンプでは、与田投手コーチが中日時代に親交のある“レジェンド”山本昌の力を借りて、安楽に力を分散させないためのプレートの正しい踏み方と、キャッチボールの仕方を伝授してもらった。 山本昌も、「安楽の持っているスケールは凄い。高校時代に160キロ近くのボールを投げていたわけだから。ストレートの質にこだわりなさい、それはキャッチボールから点検しなさい、という話をさせてもらった」と、安楽の潜在能力の高さを認めていた。 オープン戦では、まだボールにムラがあり、安定した結果を残すことができず、開幕1軍メンバーからは漏れた。しかし、ファームで4試合に先発して1勝0敗、防御率2.45の結果を残し、ストレートも150キロを超える速度を計測。 与田投手コーチも、「ストライクゾーンで勝負のできる、いいボールが戻ってきている。今年は1、2軍をひとつの戦力として戦っていかねばならないし、安楽にいずれチャンスが来る」と語っていた。 「2年間は体力の回復の期間」と、安楽の長期的育成ビジョンを考えていた球団にとって、2年目の4月に1軍に戦力として上がってくるのは、想定外。そう考えると失うものはないのだ。西武の面々を怖がらず、若者らしく真っ向勝負を挑む姿を見せて欲しい。未完の大器の本格デビュー戦に注目である。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)