海外メディアは村田諒太のTKO防衛と今後をどう伝えたのか?「衝撃で締めくくる」「悩ませる挑戦者は多くない」
米国ボクシングサイトの「ボクシングニュース24」も、村田の勝利を伝え、「村田は、第5ラウンドに流れを傾かせる大きな右を頭にヒットさせて、そのパンチの後にバトラーを捉えた。村田は、右のパンチをバトラーの側頭部か後頭部にまとめてヒットさせ、バトラーはそのパンチによって消耗させられた」と勝因を分析。 「バトラーは、第2、3、4ラウンドに村田の右のハードパンチによって痛めつけられ、クリンチを余儀なくされていた。攻撃に関して33歳(の村田)に多くのバリエーションはなかった。試合を通じ村田は基本的に強打のみで攻撃したが、バトラーは、ほとんどどうすることもできなかった。良い選手であれば村田の右のパンチをブロックするか、かわすことができただろう。村田の単純な戦いのスタイルからいけば、どのようなパンチが放たれるかを予測する必要もないはずだが、バトラーは相手の武器を打ち消す守備能力に欠いていた。村田がバトラーを対戦相手に選んだのは、右のパンチを簡単に当てることができる相手だったからだろう」と解説した。 また同メディアも村田の今後について展望した。 「村田は良いファイターだが、160パウンド(ミドル級)でのベスト王者とは考えられていない。WBA世界同級スーパー王者のサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)、WBC世界同級王者のジャーモール・チャーロ(米国)、IBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、WBO世界同級王者のデメトリアス・アンドラーデ(米国)がいるミドル級王者の中で彼は、疑いなく最弱に位置づけられている」と厳しく指摘。 その上で「トップランク社は村田の対戦相手を慎重に選ぶ必要がある。ただ日本のファイターを悩ませる挑戦者はそう多くない。現在、WBAランキング1位のクリス・ユーバンク・ジュニア(英国)は、村田を倒す可能性は高いだろうが、彼は、ベストな選手を倒すことで評価を得たいことから、WBC世界同級王者のジャーモール・チャーロ(米国)への挑戦に興味を抱いている。WBA同級2位のダニエル・ジェイコブス(米国)は168ポンド級(スーパーミドル級)へ転向。2人が村田の王座を脅かす存在でなくなったことで、村田の次期対戦候補は、以下の選手になる」とし、対戦候補を10人もリストアップした。 同メディアが書き連ねたのは、マゴメド・マディエフ(ロシア)、カルロス・リンゼー・モンロー(米国)、パトリス・ボルニー(カナダ)、ミカライ・ベシアルー(ロシア)、トリアーノ・ジョンソン(バハマ)、ロブ・ブラント(米国)、アナトリ・ムラトフ(カザフスタン)、ダビ・パポ(フランス)、アルフォンソ・ブランコ(ベネズエラ)、カルロス・ゴンゴラ(エクアドル)というWBAのランカー10人。根拠のある対戦候補のリストアップではなかった。 また記事はミドル級のパウンド・フォー・パウンドとして、1位カネロ・アルバレス、2位ジャーモール・チャーロ、3位ゲンナジー・ゴロフキン、4位セルゲイ・デレフヤンチェンコ、5位デメトリアス・アンドラーデ、6位クリス・ユーバンク・ジュニア、7位ハイメ・ムンギア、8位マチェック・スレッキ、9位カミル・シェルメタの9人の名前を出して「村田の評価は、その下にある」という厳しい見方を記した。 時差の関係もあるのか、トップランク社のボブ・アラムCEOが試合後に東京で発した「来年の東京五輪前のアルバレス、もしくはゴロフキンとの東京ドーム対戦構想」について速報で触れているメディアはなかった。ただ本格交渉のスタートする今後は、アルバレス、ゴロフキンと共に村田陣営の動向に海外メディアの注目は集まると見られる。