マイホーム、知らずに買うと後悔する「5つのポイント」とは?
● サイディングは釘固定に要注意 屋根材は長期的な維持費が大事 戸建て住宅の価格上昇率はマンションと比べて低く抑えられているのは、立地条件の違いによる部分が大きいが、住宅メーカーや工務店の企業努力も関係している。 具体的には、使用する資材の見直しが行われているのだ。 一見、資材をどんな風に変更したのかはわかりづらいが、長期的に見れば建物の性能や品質に悪影響を及ぼすケースもある。 コストダウンの目的で資材の見直しが行われているかどうかは、建築会社によって異なる。そのため「このような材料を使用しているときは注意が必要だ」という感覚で、次の5つをチェックすることをおすすめする。 (1)サイディング(外壁材) サイディングの厚みは、価格や寿命に大きく影響する。現在の主流は14~18ミリメートル以上の厚みだが、14ミリメートル厚のサイディングを採用している場合は注意が必要だ。具体的には、15ミリメートル以上は金具固定だが、14ミリメートルは釘固定である。 釘打ち工法は地震や強風でひび割れが生じやすく、作業中に釘周りが傷つく欠点がある。長期的には劣化しやすいため、釘打ち工法の採用は慎重に検討すべきポイントだ。 (2)屋根材 屋根材の選択は、将来的なメンテナンス費用に大きく影響する。スレート瓦やアスファルトシングルは塗装や補修など定期的なメンテナンスが必要となる。その際、足場を組む必要があるため、陶器瓦や鋼板屋根と比べて費用がかさむ傾向にある。 屋根は家全体を守る重要部分であるため、初期費用だけでなく、長期的な維持費も考慮して選ぶことが望ましい。
● 断熱材やガラスはわかりづらい 見落としがちな換気扇と点検口 (3)断熱材およびサッシのガラス 断熱材やサッシのガラスについては、国の方針により基本性能を大幅に下げることは難しい。しかし、細かな施工方法でコストダウンを図っている可能性もある。 たとえば、浴室の床下で基礎断熱をスタイロフォームからグラスウールに変更することが考えられる。グラスウールは変形しやすく、支えがない場所では不安定になる恐れがある。 また、ガラスについても断熱・遮熱仕様の変更にも注意が必要。特にペアガラスやLow-Eガラスなど断熱・遮熱性能が高いものは、普通のガラスと比べてコストがかかる。 これらは一目ではわかりづらいため、設計図や仕様書を見たり、担当者に確認したりしてみよう。 (4)換気扇 換気扇の設置もコスト削減の対象となることがある。たとえば、シックハウスの基準を満たしているという理由で2階トイレの換気扇を省略するケースがある。 しかし、適切な換気は室内の空気質を保つために重要であり、設計図面で確認し、建築会社にその理由を確認することが推奨される。 (5)点検口 点検口は建物の維持管理において重要だが、設置されていない物件も時折見られる。もし点検口がないと、将来的に修理や点検を行う際に大掛かりな工事が必要になる可能性がある。 そのため、設計図面で確認し、適切な場所に点検口があるか確認することが重要だ。点検口の有無は、将来的な維持管理のしやすさに直結する。 これらのポイントを押さえることで、長期的な視点から見た品質と価格のバランスが取れた住宅選びにつながる。現在のように価格が上昇している状況では、慎重で正しい選択が求められる。 後悔のない住宅購入を実現するために、専門家のアドバイスを参考にしながら、じっくりと検討を重ねていくことが重要だ。
ダイヤモンド・ライフ編集部/大根田康介