ピムコやDWS、米国債押し目買いの機会狙う-先行き景気減速見込み
(ブルームバーグ): 今年に入ってからの米国債利回り上昇の痛手に驚かされたトレーダーは、米景気が2024年に最終的に減速するとの想定に基づき、引き続き米国債取得の機会をうかがっている。
米経済は24年初めの時点で総じて予想を上回るパフォーマンスとなり、投資家は米利下げ見通しを大きく後退させ、年初に債券を選好していた人々はこれまでのところ損失を抱える形となっている。
経済の底堅さにトレーダーが不意を突かれるのはこれが初めてではない。そして一部の人々にとっては、昨年到達した5%の高水準さえも含め、利回りのさらなる上昇や「より長くより高い」金利の現実を受け入れて降参する理由にもなる。
しかし、金利の最終的な軌道は低下方向にあると確信する人々にとって、米国債市場へのエクスポージャーを増やす上で機が熟しつつある。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)やTロウ・プライス、DWSインベストメント・マネジメント・アメリカス、BNYメロン・ウェルス・マネジメントのマネジャーはいずれもこの陣営に属する。
これら各社のマネジャーは5-10年債の利回りが4.5%にさらに向けて上昇すれば、魅力的な購入の機会だとみている。
ピムコのポートフォリオマネジャー、マイケル・カジル氏は、利回りが昨年のピークに達した当時からインフレ率が大幅に鈍化し、「4.5%は新たな5%に相当」しており、購入には良い機会だと指摘。「当社はデュレーションを再び積み増し、社のベンチマークと比較してオーバーウエートのデュレーションとなるのに非常に近づいている」と話した。
一方、最近発表された堅調なデータを受けて、一部の投資家が米国債市場に背を向けているのは事実だ。フィデリティ・インターナショナルのマネーマネジャー(シンガポール在勤)は先月、ブルームバーグ・ニュースに対し、世界経済の成長が続くとの予想を踏まえ、保有していた米国債の大部分を売却したと語った。