PTA会費「同意なく天引き。おかしい」…県立高校教諭の返還請求、鹿児島簡裁が棄却「同意取る義務があるとまでは言えない」
PTA会費が給与から同意なく引き去られていたとして、鹿児島市内の県立高校の40代男性教諭が、校長とPTAを相手取り、2017~22年度の会費計1万6560円の返還を求めた訴訟で、鹿児島簡裁が請求を棄却していたことが分かった。4日までに判決文を受け取った教諭が明らかにした。 【関連】PTA会費の返還求め提訴 現役教諭が投じた「一石」、学校に驚きと共感 「加入は暗黙の了解」「エアコン設置費に充当おかしい」
判決で金子進裁判官は、学校要覧に会則が規定されていることなどを挙げ、「PTAが全職員に事前かつ個別に会費の同意を取る義務があるとまでは言えない」と判断した。教諭が会員であった間は「PTA活動の利益を享受した」と指摘。「不当利得返還請求は認められず、不法行為にもあたらない」と訴えを退けた。 教諭は判決について「PTAという任意団体が会費を引き去る法的根拠を明らかにしてほしいと訴訟を起こしたが、示されないままで釈然としない。控訴するか弁護士に相談して決めたい」。校長は「確定していないので、コメントは差し控えたい」としている。 判決言い渡しは8月27日にあった。
南日本新聞 | 鹿児島