<52年ぶり春・宮崎商>選手紹介/1 /宮崎
第93回選抜高校野球大会2日目の20日第1試合で奈良・天理と対戦する宮崎商は攻守のバランスが取れ、粘りが身上のチームだ。初戦を前に、登録選手18人の横顔を紹介する。【塩月由香】(名前の後は学年、出身中、身長、体重) ◇制球で手玉に取る 日高大空(そら)投手 2年、本庄、178センチ、70キロ 守りから攻撃のリズムを作る宮崎商野球の要。伸びのあるストレートと多様な変化球が持ち味で、昨秋の大会では高い制球力で他校を手玉に取った。 打たれても「次のバッターを抑えればいいだけ」と切り替えられる心の強さがあり、惜敗した九州大会準決勝の福岡大大濠戦でも、2失点後に球威が増したほどだ。 小1から中3まで続けた書道は9段。「必笑 必勝」のモットーで甲子園のマウンドでも強打者に向き合う。 ◇投手陣の信頼厚く 平松諒真捕手 2年、田野、158センチ、61キロ 正捕手で9番打者。小柄だが頭脳プレーにたけ、制球力の良い日高投手と好相性。投手陣の信頼は厚く、本人も「気持ちよく投げさせたい」と頼もしい。 努力家。自身を撮影した動画を研究、コーチの助言も取り入れて送球フォームの改善に取り組んだ。つらい練習も「母が自分に毎日してくれることに比べれば」と乗り越えた。 打者としても役割を果たす。甲子園は「いつも通りにやれば勝てる」。本塁からチームに平常心を広げる。 ◇6点差逆転する力 チーム特色 昨秋の公式戦チーム打率は3割1分1厘。上位から下位まで切れ目ない打線で、流れに乗ると大量得点も。3番で主将の中村碧人選手と5番・西原太一選手が流れを生む。中村選手は3本塁打10打点3盗塁といずれもチームトップで打率も3割7分5厘。西原選手もチーム一の13安打に2本塁打で打率は3割8分2厘だ。打率4割台の6番・水谷圭佑選手と8番・中野瑛二朗選手はじめ俊足や小技、選球眼に優れた選手ぞろいで、県予選では準決勝、決勝とも6点差をひっくり返した。 エース日高大空、リリーフ長友稜太両投手が二枚看板。県予選では右翼手兼任の西原太一投手らが投げた試合もあるが、九州大会は両輪で勝負した。日高投手は県予選から8試合で先発し、九州大会準決勝の福岡大大濠戦は2失点したが、その後は無失点。精神力が高い。長友投手はここぞの場面で速球で勝負できる。心技体そろった内外野手が控え、堅守を攻撃につなげる。 橋口光朗監督は「失点を抑えれば勝機も見える」とセンバツ初勝利を狙う。【塩月由香】