重圧にも動じず、印象的な動きと立ち振舞。東山は惜敗も、1年生GK麻生太朗がPK戦で2本ストップ
[7.28 インターハイ2回戦 東山高 1-1(PK2-3)静岡学園高 JヴィレッジP2] 【写真】「いとこがSixTONESジェシー」驚きの告白をしたパリ五輪サッカー日本代表FW PK戦は4人目を終えて3-2と静岡学園高(静岡)がリード。追い詰められた東山高(京都)だが、GK麻生太朗(1年=京都サンガF.C.U-15出身)が相手5人目をストップした。わずかにフェイクを入れてから左へ跳躍し、完璧なセーブ。すると、1年生は応援席を煽るような仕草で東山を盛り上げた。 決められれば敗退の決まる場面でのビッグセーブ。「3年生勝たしたいっていう思いでやったんで、取めれて凄く嬉しかったです」。麻生はリードを許して迎えた3人目も止めている。 PK戦では年上の相手選手の下へ歩み寄り、囁きかけるなど駆け引き。「とにかく相手にプレッシャーかけて、甘いコースに蹴らせて、甘いコース来たらもう全部止めるっていう意識でやってました」。重圧のかかる状況にも動じず、自分にできることをやり切っていた。 そして、2本を止める活躍も、チームは敗戦。「(みんなの家族が)京都から、福島まで遠い中で来てくれて、応援してくださってるので、ここの戦いで 1勝したかったんですけど、できなくて、すごく悔しいです」と唇を噛んだ。 京都U-15から、福重良一監督やトレーニングの熱量を感じて東山へ進学。長く京都で活躍した平井直人GKコーチの指導を受けている。「GKとしての立ち振る舞いとか、その技術面、メンタル面とか、色々教えてもらってます」。麻生は京都府予選までサブも、福重監督は「1年生ながら波がない」という麻生の起用に踏み切る。 リーグ戦でのプレーを評価し、インターハイでは「やっぱり彼に託そうっていう気持ちもあった」(福重監督)と1、2回戦で先発起用した。高川学園高との初戦を無失点で終え、この日も相手のセットプレーなどで落ち着いた対応。1年生守護神は期待に応えるようなプレーをした。 身長は180cm台前半。福重監督は「(より活躍したり、プロへ行くためにはサイズを)補うメンタリティー、シューティングストップとか技術を上げていかないといけない」と求める。本人は課題だというキックを改善し、「(まずは)冬の選手権でまたスタメン取って、選手権で優勝したい」。期待の1年生は再び競争を勝ち抜き、選手権で日本一への力になる。