9.11式典を途中退席 再燃した健康不安はクリントン候補の死角となるか
アメリカ大統領選挙まで60日を切った9月11日、ニューヨークでは15年前に発生した同時多発テロの犠牲者を追悼する式典が開催され、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの両大統領候補も出席した。式典開始から間もなくして、クリントン氏は体調不良を訴えて会場を去るのだが、その様子を捉えた動画がネットにアップされ、凄まじい勢いで拡散。動画ではよろめいて膝から崩れるクリントン氏が、抱えられるようにして車に乗り込む様子がはっきりと確認でき、以前から指摘されていた健康不安説を再燃させる結果となった。クリントン陣営は当初、脱水症状が原因で気分が悪くなったのだと説明したが、のちに医師から肺炎と診断されていたことを明らかにした。健康状態を不安視する有権者が増える一方で、肺炎に関する事実を公表しなかったクリントン陣営に対する不信感も高まり始めているようだ。 【写真】「クリントン大統領」実現への課題 「米国vs.トランプ」の構図つくれるか
SNS上によろめいて膝から崩れ落ちかける映像
現地時間11日朝から世界貿易センター跡地で開催された追悼式典に出席したクリントン氏は、式典が始まって約1時間後にシークレットサービスの職員らに連れ添われる形で会場を離れ、車に乗り込もうとした際にはふらついた状態で膝から崩れ落ちかける一幕もあった。この様子を式典に参加するために会場の外にいたチェコ出身の元消防士の男性が動画撮影し、ツイッターに投稿したことによって、クリントン氏が膝を崩す形で倒れかけたシーンが瞬く間に世界中に知れ渡った。ツイッターで動画を公開した男性にはアメリカやチェコのメディアから取材申請が殺到し、2日の間に約2万6000通のメールが届いたのだという。
この男性はチェコメディアの取材に対し、自身が撮影した動画がこれほどの反響を呼ぶとは想像していなかったと語っている。動画の中でクリントン氏が膝を崩す格好で倒れかけるシーンは僅か数秒のものであったが、アメリカの有権者や世界中のメディアの関心を引くには十分すぎる内容であった。 クリントン陣営は当初、クリントン氏が暑さによって体調を崩したと発表していたが、のちに医師から肺炎と診断され、体調不良を起こす前日にも抗生物質を服用していたことを明らかにしている。 ・Zdenek Gazdaさんが撮影した動画「Hillary Clinton 9/11 NYC」