プロジェクト2025、始動の準備着々-トランプ次期政権に執筆者ずらり
トランプ氏が国境警備・管理と不法移民送還の包括的責任者に起用したトム・ホーマン氏も、プロジェクト2025の協力者リストに含まれる。同マニフェストは数百万人もの不法移民、特に犯罪者の国外追放を強調。トランプ氏は国家緊急事態を宣言することで、移民の強制収容や収容キャンプの警備、国外追放に軍を動員できるようになると述べた。政権1期目でトランプ氏が打ち出した厳しい移民政策の顔となったホーマン氏は、今度はリベラル都市による抵抗を一切容認しないと言明。「協力しないのなら、さっさと出て行け」と、いわゆる「聖域都市」に警告した。
中央情報局(CIA)長官に起用するとの発表があったジョン・ラトクリフ元下院議員も、プロジェクト2025の主要な寄稿者だ。1期目のトランプ政権で国家情報長官を務めた同氏は、米国を中国から守る必要性を常に警告してきた。中国政府は経済と軍事、技術における支配を狙っており、同国の大手企業は共産党の利益のために動いているというのがラトクリフ氏の主張だ。プロジェクト2025は中国の脅威に備える必要性に長いページを割いている。
駐カナダ米大使には、元下院議員で情報委員会のメンバーだったピート・ホークストラ氏が指名された。1期目のトランプ政権で同氏は駐オランダ大使を務めたが、大使館に極右政治家らを招いてパーティーを主催し批判されたことがある。ホークストラ氏もプロジェクト2025の協力者リストに名前を挙げられ、同氏が1990年代に教育省の無駄を批判したことがリポートに記されている。トランプ氏は教育省を解体する意向を明らかにしている。
上述の候補者にコメントを求めたが、誰からも返信がない。
トランプ氏の広報担当者カロリン・リービット氏は「トランプ次期大統領はこれまでプロジェクト2025に一切関わっていない」と言明。「閣僚候補の指名や起用はすべて、トランプ氏のアジェンダに誠実に沿ったものであり、外部グループのアジェンダとは関係ない」と述べた。