なつかしキャッチコピー「未体験ゾーンへ」「街の遊撃手」は何のクルマ? 日本車が熱かったバブル時代は広告も個性的でした【カタログは語る】
ディープだ。(ブリヂストン レグノ)
今でも現役のモデルとしてラインアップされているが、「レグノ」はブリヂストンが打ち出した、静粛性の高さ、居住性のよさを商品特性としたタイヤ。その最初のモデル(60ならGR-03)は、正確な資料が手元にないのだが80年代初頭の発売で、当時、冠スポンサーだった土曜日深夜のTV番組「ベストヒットUSA」を見ていると、合間にCMが流れていた。バラード曲(この話を始めると長くなるので今回は割愛)とフェラーリ、アウディ「クワトロ」がランデブー走行する映像と、だたひとこと「ディープだ」とナレーションが入るCMは、見ていて惚れ惚れさせられた。
デュエットクルーザー(ホンダ バラードスポーツCR-X/1983年)
正式名「バラードスポーツCR-X」と言った同車は、1983年登場の「ワンダー シビック」(3代目シビック)と同時に登場。バラードそのものはシビックの兄弟車の位置づけだったが、同車はとびきりファンなライトウェイトスポーツとして誕生。2200mm足らずの短いホイールベース、コーダトロンカの特徴的なスタイルは2代目にも受け継がれた。クルマ的には走りの面白さが注目だったが、広告宣伝はポップかつソフトに若いカップルをフィーチャーし「デュエットクルーザー」と打った。
街の遊撃手(2代目いすゞ ジェミニ/1985年)
オペル「カデット」などとともにGM「Tカー」の日本版として1974年に登場したのが初代「ジェミニ」。一方で1985年に登場したこの2代目は、FF方式(初代はFR)採用の、まったくのいすゞオリジナルとして開発された。ハッチバックとノッチバックセダンの2タイプのボディを用意。グリーン、ピンクなどポップなボディ色も印象的だった。そして小気味よい走りのイメージを伝えたのが「街の遊撃手」のコピーとともに、アクロバティックな映像にハッとさせられたTV-CMだった。
インテリアイズム(マツダ ペルソナ/1988年)
人気を博したトヨタの「カリーナED」(1985年)の対抗馬としてマツダが作ったのがこの「ペルソナ」(と「ユーノス300」)。雰囲気重視(?)の4ドアハードトップである点はEDと共通だったが、このペルソナでは贅を尽くした室内空間をアピール。手縫いの本革内装を設定し、後席はラウンジのソファのようなラウンドした形状とし、置くだけのアームレストクッションを用意。灰皿はオプション設定というこだわりもみせた。