「全く及ばなかった」「私たちよりだいぶ上」シリア監督、日本との“圧倒的な差”を痛感。かつて2年連続でCL決勝に導いた名将
「1つのサイクルがここで終わりを告げた」
森保ジャパンは6月11日、北中米ワールドカップ・アジア2次予選の最終節で、シリア代表とエディオンピースウイング広島で対戦。開始13分で上田綺世が奪った先制点を皮切りに、得点を重ね、5-0で大勝した。 【PHOTO】日本代表のシリア戦出場16選手&監督の採点・寸評。3人が7点の高評価。MOMは2点に関与した左WB 一方、勝てば最終予選進出を決められたシリアは、中立地サウジアラビアでの前回対戦と同じスコアで敗れ、再び力の差を見せつけられる結果に。日本戦の3時間後、残り1つの枠を争っていた北朝鮮がミャンマーを下したため、敗退が決まった。 エクトル・クーペル監督は会見で、「1つのサイクルがここで終わりを告げた」と辞意を表明。さらに「日本の方が、私たちよりもだいぶ実力的に上回っていた」と率直に伝えた。 「日本は今日、本当に大きな打撃を私たちに与えた。疑いない事実だ。我々の今日の戦略が上手くいかなかったところが大きな敗因だった。日本にプレッシャーをかけて、ボールを早く奪おうと狙っていたが、そこを突破され、突破される度にチャンスを作られてしまった。思い描いていたようなプレスがかけられず、それによってスペースが空いて、そこを日本に利用されてしまった」 また、「立ち上がりから連続失点を喫したものの、諦めずに最後の最後まで戦った選手たちに何か掛ける言葉はある?」と問われた際には、努力を称えつつ、改めて日本との差を口にした。 「私たちは今日、非常にリスクの大きいことをピッチの上で試みた。今日は何としても勝たなければいけなかったからだ。日本は非常に強豪で、リスペクトももちろんあった。ただ、何とかしてゴールを決めないといけない状況だった。そのためにリスクを犯して戦った。選手たちも全力を尽くして戦ってくれたが、それでも十分ではなかった。その責任は今日の試合に向けて、準備を進めてきた私にある。 もちろん、日本がどんな試合をするチームで、どれだけのスピードでプレーするか、どんな特徴を持っているかは事前に分かっていた。そこで勝利を収めるために選手たちは全力を尽くして戦ってくれたが、それでも全く日本に及ばなかった」 現在68歳のクーペル監督は、元アルゼンチン代表DFで、選手時代は母国のクラブでプレー。引退後、マジョルカ、バレンシア、インテルなどで指揮を執り、バレンシア時代には2年連続でチャンピオンズリーグ決勝に導いた。 引き際を悟ってなおオーラを放ち、会見での一つひとつの言葉に力強さを感じさせた名将は、とことん謙虚だった。 取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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