日本三大珍味・からすみ作り最盛期 熊本・天草市牛深町 山吹色に輝く
熊本県天草市牛深町で、冬の高級珍味「からすみ」作りが最盛期を迎えている。潮風が吹き抜ける水産加工場の屋上では、天日干ししたからすみが山吹色に輝いている。 塩漬けしたボラの卵巣を乾燥させたもので、「塩うに」「このわた」と並ぶ日本三大珍味の一つ。酒のつまみや年末年始の贈答品として人気がある。 25日、1945年創業の井上勇商店では、からすみ約900本が陽光の下に並べられ、従業員が余分な油と水分を布で拭き取っていた。今年は例年よりも気温が高く、天日干しが遅れているという。 2月までに2千本ほどを生産、主に関東や関西方面に出荷する。同店の井上卓代表(43)は「味や食感は例年通り良いものができた。そのままスライスしたり、軽くあぶってだし茶漬けに入れたりして味わって」と話した。価格は約250グラムの最高級品で1万5千円ほど。(鬼束実里)