JCJ大賞2024は『しんぶん赤旗日曜版』の自民党裏金問題スクープに
日本ジャーナリスト会議(JCJ)が優れたジャーナリストを顕彰するJCJ賞の2024年度第67回の受賞作が決まり、10月5日に東京・千代田区内で贈賞式が開かれた。 大賞は、『しんぶん赤旗日曜版』の「自民党派閥パーティー資金の『政治資金報告書不記載』報道と、引き続く政治資金、裏金問題に関する一連のキャンペーン」に贈られた。 10月1日に発足した自民党・石破内閣はスピード解散、衆院選は今月27日に行なわれる。自民党の派閥のパーティー券の裏金問題で政治とカネの問題が自民党を追い込み、10年余り続いた数の力による強圧的な政治をストップできるかの転換点を迎えている。こうした変化のきっかけを作ったのが、『しんぶん赤旗日曜版』の編集長、デスク、若手記者の3人がチームワークで成し遂げたスクープで、贈賞式には3人が揃って参加した。選考委員の上西充子さんは「朝日新聞の報道のように検察などに食い込んで情報を取るのではなく、赤旗は端緒の捉え方が違う。記者が政治家の2万円会費のパーティーに出席し、コロナ禍とはいえ何も飲食がなかったことに驚き、対価性のないパーティーに疑問を持ったのがきっかけで、そこから調査を進めた」と講評。続いてスピーチに立った編集長の山本豊彦さんが「実は石破派にも、政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に記載せず、裏金処理していた疑いがあることをちょうどスクープしたばかりです。石破首相は裏金問題をまるで人ごとのように話をしてきました。それなら石破派はどうなのかを記事にしました(日曜版10月6日付)」と報告。さらに「長年、政治資金パーティーを追ってきましたが、それは企業団体献金が政治をカネで歪めることになるからです。裏金問題で刑事告発を続けている上脇博之さんのような専門家や市民と、これからもジャーナリズムが連携し、権力を監視していくことが私たちの目指す方向です」と決意を述べた。