JCJ大賞2024は『しんぶん赤旗日曜版』の自民党裏金問題スクープに
最高裁への抗議デモも
JCJ賞は新聞・出版・放送・映画の他に今年度から新しくネット報道の部門を設けた。JCJ大賞の他には、以下の4作品がJCJ賞に選ばれた。▼上丸洋一 『南京事件と新聞報道 記者たちは何を書き、何を書かなかったか』朝日新聞出版▼後藤秀典『東京電力の変節――最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』旬報社▼NHKスペシャル 「〝冤罪〟の深層~警視庁公安部で何が~」「続・〝冤罪〟の深層~警視庁公安部・深まる闇~」NHK総合テレビ▼SBCスペシャル「78年目の和解~サンダカン死の行進・遺族の軌跡~」SBC 信越放送。 ジャーナリストの後藤秀典さんは、『東京電力の変節』の中で最高裁判所の判事と大手法律事務所との関係を明らかにし、「この本が出て1年の間に最高裁の公平性を問う声が非常に増えてきている。最高裁が福島原発事故裁判で国の責任を認めない判決を出してから2年となる今年6月には1000人近くが、人間の鎖で最高裁を取り囲み抗議した」と手応えについてスピーチの中で語った。 今年度の受賞作は、政治とカネ、司法の癒着の構造、警察の違法捜査と、日本の権力構造の闇をペンや映像で明るみに出した。一方で戦争とメディア、戦争責任と和解の問題について時間をかけた取材を重ね、丁寧に浮かび上がらせた。 贈賞式でオンラインによる記念講演をした上脇博之さんは「権力は情報を隠そうとするが民主主義にとって情報は欠かせない。報道で知ることによって、私たちは新たなアクションを起こすことができる」と指摘した。ジャーナリズムと市民の連携こそが政治を、社会を動かしていく原動力になる。JCJ賞が少しでも、その架け橋になれればと思う。
古川英一・JCJ事務局長