レッズはなぜ秋山翔吾と3年約16億円で契約合意したのか?
海外FAを行使してメジャー移籍を希望していた西武の秋山翔吾外野手がシンシナティ・レッズと3年契約、トータル1500万ドル(約16億円)で合意した。複数の米メディアが報じたもの。レッズは、今年8月に田澤純一がマイナー契約したが、過去にメジャーロースター入りした日本人プレーヤーは一人もいないため、秋山がレッズの日本人メジャーリーガーの第1号となった。 地元紙のシンシナティ・インクワイヤー紙によると、「レッズは、このオフシーズンで外野手の補強を望んでおり、秋山は日本で中堅手だったが、複数のスカウトは彼の年齢から両翼での起用を好んでいる」という。またレッズのニック・クロールGMは、ウィンターミーティング中に「チームは彼を外野の3つのポジションでプレーできる選手と見ていると話していた」と紹介。同紙は、「レッズが、このオフに出塁率の高い打者を補強しようとする中で、秋山はチームのラインネップに合った選手だ。レッズは、今季球団記録となる227本塁打を放ちながら、攻撃面で低迷の要因となった出塁率はナショナル・リーグの15チームで12位だった」と秋山獲得を評価した。 秋山については、カブス、ダイヤモンドバックス、レイズ、パドレスの5球団が争奪戦を繰り広げており、NBCスポーツによると、カブスが最有力だったそうで、「カブスは必要としていた補強をアップデートできないばかりか、(秋山は)上昇しつつある同地区(ナ・リーグ中地区)のライバルチームへ向かうことになる。(メジャーリーグで)実績のない30代選手との3年契約は大きなもので、カブスには、そこに踏み出す勇気が出なかったのかもしれない」と、裏事情を推測している。 昨季、レッズのチーム防御率は、15球団中4位、奪三振数は1位だったが、75勝87敗と借金を抱え、ナ・リーグ中地区4位と沈んだ。チーム打率、出塁率、得点が12位で、長打率が10位で打線の補強が今オフの大きな課題だった。 CBSスポーツは、秋山を「1番・センター」で起用するとして、来季の予想ラインナップを紹介している。それによると、「1番・センター、秋山」「2番・ファースト、ジョーイ・ボット、「3番・三塁、エウへニオ・スアレス」、「4番・ライト、アリステーディス・アキーノ」、「5番・セカンド、マイク・ムスタカス」、「6番・レフト、ニック・センゼル」、「7番・ショート、フレディ・ガルビス」、「8番・キャッチャー、タッカー・バーンハート」となりそうだ。同メディアは、「投手陣は2020年に向けて、とても良い状態に見えるが、野手陣はどうだろうか。秋山と、ムスタカスの加入だけでは十分と言えないかもしれないが、チーム内の底上げを期待することで楽観的になれる理由がある」としている。