「もしもし?」 フランス最後の電話ボックスに全土からコール
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【8月3日 AFP】フランス・アルザス地方のムルバッハ(Murbach)村には、同国最後の電話ボックスがある。フランス全土から電話がかけられて、呼び出し音が鳴りやまない状態だ。電話ボックスは古き良き時代を懐かしむ人々でにぎわっている。 きっかけはフランスの週刊誌パリ・マッチ(Paris Match)に記事が掲載されたことだった。ムルバッハ村の副村長は「電話が鳴りやみません。電話ボックスのことが公になってから、観光客も住民もとりこになっています」と話した。 村の地形上、中継用アンテナが設置できないことから、この電話ボックスは現役だ。緊急通報の際やコレクトコールが今でも使えるという。 村の主な観光名所は8世紀の頃の修道院だが、この電話ボックスもかつての「遺物」として注目を集めている。 電話の呼び出し音が鳴り、受話器を取った観光客の男性は「電話ボックスの存在は知らなかった。インターネットで知った。電話ボックスではなく修道院を見に来たのだが、せっかくの機会なので立ち寄った」と話した。 地元の観光局の担当者は、村に観光客を誘致する方法を何年も模索してきたが、電話ボックスがきっかけになるとは思ってもみなかったと言う。今では多くの観光客が電話ボックスを訪れて記念写真を撮り、呼び出し音が鳴るのを待っている。 映像は7月18日に撮影。(c)AFPBB News