佐々木希 女優業に逃げ道を作っていた
■好きなものは一番苦手で一番傷ついたお芝居しかない そんな佐々木に転機が訪れる。24歳の時に、同年代の仲間たちと将来を語り合う機会があった。「自分は何をしたいのかと考えたときに、これまで色々なジャンルのお仕事をさせて頂いているけど、一つのことを突き詰めていないことに気付いたんです」と、“八方美人”であったと分析。「“嫌いなものはいつか好きになる”という自分論があり、嫌いなものこそ本当に好きなものになると捉えた時に、これからやっていくべきなのは一番苦手で一番傷ついたお芝居しかないと思ったんです」と、自分自身を納得させ、女優としての覚悟を決める。 ■多忙から一転 仕事のない日が続く状態も経験 周囲からは「モデル業と並行して女優業に取り組んでいけばいい」と言われたというが、「このまま続けたら中途半端になってしまう。私は不器用だから結果を残すには集中して取り組む必要がある」と、女優業を優先させることに。佐々木自身の判断で“いばらの道”を選択したわけだが、その結果、多忙から一転、数日間仕事がないという恐怖も体験した。「デビューからずっと忙しくさせて頂いていたので、時間が空いてしまうとネガティブなことばかり考えてしまいました。このままお仕事がこないのでは?と落ち込みました」と打ち明ける。 ■ヘタクソでも一生懸命やれば認めてくれる 「本当にこの選択でよかったのかな?と思うこともありましたが、すべてを失うくらいの覚悟でいかなければダメ。軽はずみな気持ちでやるのは、先輩の役者の方々にも失礼ですから」と、1年半ほど歯を食いしばっていると、風向きが変わり始める。「真剣に女優の仕事と向き合うようになってからは、周りの人からの対応も変わった気がします。ある方からは『前と仕事の向き合い方が変わったね』と言われました。ヘタクソでもヘタクソなりに一生懸命やれば見てくれている人はいる。自分自身を嫌いにならずによかったと今は思っています」と、当時の選択に胸を張る。