妊娠8カ月で告げられた、おなかの子は18トリソミー。『なんで私が…』それでも親としてわが子と向き合い、出した答え【体験談】
「低出生体重児のための服を作りたい!」という願いを実現
妊娠8カ月に「18トリソミーと先天性の心臓疾患がある」と診断を受けてから、ママとパパはハラハラし通しでしたが、待ちに待った望ちゃんと一緒のおうち生活がスタートしました。 「ようやく、おうちでのお世話に慣れてきたころ、ふとスマホの中の写真を見ていたら…。小さな体がブカブカなウエアに埋もれている写真しかないことに気づいたんです。低出生体重児向けのサイズ表記45cmの服を購入したのに、1780gのわが子にはそれさえもブカブカな状態。『この子に合うサイズの服を着せて、この一瞬も写真に残してあげたかったなあ』という思いがあふれてきました」(中須賀さん) 「小さく生まれたわが子が着られるベビー服が、世の中にはほとんどない!」「世の中には私と同じように、小さなわが子のウエアを必要としているママたちがきっといるはず!」と考えて、低出生体重児専用のブランド「LIKO」の立ち上げを決意します。 実は中須賀さんは服飾専門学校出身で、アパレルショップでの勤務経験があります。もともと洋服が大好きだったこともあり、さっそくベビー服のデザインに取りかかりました。地元の縫製工場に協力を求めるなどの行動を起こしたかいあって、ウエアのサンプルがほどなく完成。 「その時点で望は生後8カ月。体重が2500g以上になり、すでに身長50cmのウエアを着ることができるようになっていたので、『LIKO』のウエアを着せてあげることはできなかったんです。でも、私と同じような気持ちのママたちに届けたくて、体重1500g~1900gというサイズにこだわりました。すべて一からの挑戦でしたけど、今では子ども服の展示会を通じて出会ったアパレル関係の方々ともご縁ができて、応援していただいています」(中須賀さん) 取材・文/大石久恵、たまひよONLINE編集部 ●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。 ●記事の内容は2024年5月の情報であり、現在と異なる場合があります。 望ちゃんは、18トリソミーという染色体疾患を持って生まれ、生後16日で心臓の手術を受けて、無事生後40日で退院の日を迎えました。でも市販のベビーウエアでは、1780gの望ちゃんには大きいものばかり…。そこで、小さく生まれた赤ちゃんのためのブランド立ち上げを決意した中須賀さん。 退院後のおうちでの生活や、家族とのふれあいエピソード、「LIKO」のウエアの開発秘話は次回に続きます。 「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることをめざして様々な課題を取材し、発信していきます。
中須賀舞さん
PROFILE 服飾専門学校を経て、10年間アパレル販売員を経験。2017年に1人目、2021年に2人目を出産。妊娠8カ月のとき、18トリソミーと診断を受けた二女・望ちゃんが1780gで誕生した経験から、低出生体重児専用のベビー服ブランド「LIKO」を立ち上げる。
たまひよ ONLINE編集部