幸せか、不幸かは、「遺伝子が決める?」それって一体どういうこと?
人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。今月のテーマは「幸せか、不幸かは、遺伝子が決める? それって一体どういうこと?」。 幸福の考え方に欠かせない「ウェルビーイング」の考え方とは?
かつてこれほどまでに納得できる幸福の法則はなかった
まず結論からお伝えするなら、これぞ幸せの正体と思えるものが、ようやく見つかったので、ここにお知らせしたい。それが、“幸不幸は遺伝子が決める”説! そもそも人は、特に女は、幸せになるために生まれてきた生き物……ずっとそう考えてきた私は、幸せになるもっとも簡単な方法を探し続けてきた。それは自分自身のためでもあるけれど、その方法がわかったら、真っ先に周囲に伝えたい、誰かに伝えたいと思うからなのだ。それも古い友人に、端から見たら決してそうは見えないのにどうしても幸福感を持てないというタイプが結構いたから。美人で裕福で、早々とイイ男をつかまえたのに、何だか不満を抱えている人。また一方、明らかにネガティブ思考で、何でもかんでも悪く捉えて悩んでしまう人。なぜだか自分から不幸な方、不幸な方へ進んでいってしまう人。ともかくそういう人たちに、ごくごく普通に幸福感を持ってほしいと思うからなのだ。 そこで、いわゆる幸福論などを読み込み、結果行き着いたのは「人は幸せの話をこれほどたくさん聞かされていなかったら、もっと幸せであっただろう」そして、「自分が幸福かどうかを問わない人が幸せ」。しかも「幸せとは比較が生むもの。自分より恵まれた人に出会った瞬間、不幸になる」。つまり幸せの基準などに振り回されない、それが幸せになる鉄則であるということ。言い換えるなら、幸福の意味などを追い求めているうちは、いつまでたっても幸せになれないことがわかってきたのだ。 でもこの結論も何だか釈然としない。自分が幸せかどうかなどと考える前に、自分は不幸と決めつけている人も少なくないからだ。じゃあどうすれば? そんな時に出合ったのが“ウェルビーイング”の概念で、それまでは幸福論で幸せを哲学的に捉えていたけれど、ウェルビーイングはもっとシンプルに幸福を科学する学問。さまざまなことを前向きに考えることで幸福感を得ていく提案で、たとえばだけれど、人に感謝する……それも今の10倍感謝すると、逆に自分が幸福感に満たされると訴える。「まさにこれだ」と思ったもの。ただ、この10倍感謝の方法についても、本当に強い意志で意識し続けないと、身に付かない。だからそれ以前に、幸不幸の運命的な分かれ道があるのではないかという考えが頭から離れなかった。 そんな中で見つけたのが、幸せかどうか、その50%は「遺伝子」が決めるという説だった。これこれ、まさにこれ!と、何だか胸がすくほど、清々しい納得があったのだ。つまりこれは、まったく同じ状況に置かれても、それを幸せと感じる遺伝子がある人と、それを不幸と感じる遺伝子がある人がいるという説。 確かに自分の周りにもいる。どんな時も幸せそう。どんなに悪いことが起こっても、何だか幸せに見えてしまう幸せ体質の人っているもので、その不思議も含め、ようやくすべての謎が解けた形。たとえば誰かと言うなら、赤毛のアンみたいな? アンミカとか、いわゆる“ゆうちゃみ”みたいな? 水卜アナの不動の人気もそこからきているのだろう。 しかもこの理論、幸せかどうかを決める要素のうち「環境」は10%に過ぎないと説いている。つまりお金持ちに生まれたり、いい仕事につけたり、美人に生まれてチヤホヤされたりすることによる幸福感は1割に過ぎないと。それも深く納得。成功者ほど、もっと成功している人を見ればたちまち不幸になる、上を見ればキリがない。1割で充分なのだ。 ちなみにこれ、米国カリフォルニア大学のポジティブ心理学の教授が提唱しているもので、遺伝子50%の説も、一卵性双生児による研究結果として出された、科学的根拠があるものだという。 撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳 Edited by 加茂 日咲子
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