“子どもの孤立化を防ぎたい”いま注目される学校でも家庭でもない『第3の居場所』 勉強も食事も無料で地域と子どもの未来を結ぶ架け橋に…ただ運営維持の厳しさが大きな課題
北海道教育大学旭川校 高橋一将准教授 「“鉛筆”と“箸”を子どもたちに提供することで、彼らの将来に“橋をかけたい”という気持ちもありますし、その子どもたちが、場合によっては、社会の端にいる場合もある」 「そういった子どもたちに対して“鉛筆”と“箸”で、将来に結び付けてあげたい」 旭川市の調査によりますと、子どもが1人で夕食を食べる家庭は、両親がいる世帯で7.8%。 母子世帯は10.6%なのに対し、父子世帯では16.7%と、約2割にのぼりました。
旭川市 子育て支援課 香川秀頼課長 「さまざまな事情がありまして、夕食を一人で食べなければならない子どもがいるのは、十分承知しておりますけれど、われわれだけでは、手の届かないところに、手差し伸べて頂いているということで、非常にありがたく思っています」 “子どもの孤立化を防ぎたい”という思いで、居場所を作る団体は、北海道内各地で増えつつあります。 札幌市中央区にある、障がい児向けの絵本も取り揃えている『ふきのとう文庫』です。
図書館に併設された多目的室で『ふきのとう・こどもクラブ』は、日曜日から水曜日に活動しています。 対象は、幼稚園児から高校生までと幅広く、子どもたちは宿題をしたり、本を読んだりと、自由に思い思いの時間を過ごします。 女の子(小学3年生)「宿題もちゃんと出来て、家でやらなくて済むなって」「何より、ここで友だちがたくさんできたのがいいなって」 『ふきのとう・子どもクラブ』では、夕食ではなくおやつを食べるカフェタイムがあります。利用料はかかりません。 保護者「“第3の場所”っていうのは、すごくありがたい」「同じように思う親はたくさんいると思うので、いろいろところに出来てくれたらなと思います」 『ふきのとう・こどもクラブ』の運営費は、日本財団からの寄付で賄われています。しかし、いまの状況を維持していくには、不安が残ります。 『ふきのとうこどもクラブ』 星野康さん 「今後そういうの(寄付)がなくなった時に支えていく、財政的な基盤とかがちょっと心配かなと思います」
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