女の子の“スポーツ離脱”が深刻!「女の子のためにスポーツを変えるウィークーCOACH THE DREAM-」で見えてきたものとは?
女の子からのストーリーテリング
女の子が実際に直面した体験談はプレー・アカデミーに参加している2名から発表された。一人目は、桃山学院大学4年生の世古汐音(せこしおん)氏。バレー部のキャプテンを務めながら、地域の中学校バレー部での学生コーチとしても指導をしている。 「私は小学4年生の頃から現在もバレーボールをしています。プレーでの悩みはもちろん、たくさんの壁が立ちはだかってきました。競技はとても大好きなのに、プレー以外の悩みが原因でその競技から離れてしまったり、一人で苦しんだりする女の子たちをみて、このような状況をどうにかしていきたいと思いはじめました。実際に私は、指導者とうまくいかない時期がありました。その時は正直とても辛く、練習に行きたくない、やめたいと思うような時もありました。でもこのような状況でも競技をやめることなく続けることができたのは、同級生をはじめとするチームメイト、周りにいた先生方の助けがあったからでした。必ず、話を聞いてくれる人、力になろうと手を差し伸べてくれる人がいます。私は2年前から部活動指導員として、中学生にバレーボールを教えていますが、そこで学んだことの一つに、子どもたちはしっかりと考えを持っているということがあります。その考えを持っているからこそ、試合前にはできるだけ子どもたちの意見を聞きながら メニューを考えるようにしています。私は中学時代の体育の先生との出会いがきっかけで、体育教員になることを目指しています。憧れた先生に自分の可能性を広げてもらい、教師という素晴らしい夢を与えてもらいました。私も生徒に影響力のある先生になりたいと思っています。」 体を動かすことやスポーツを通して、一人でも多くの人に笑顔になってもらいたいし、楽しさを伝えたい・・・笑顔になる瞬間が楽しくやりがいがあると語る世古氏の笑顔が印象的だった。 2人目は、NPO法人モンキーマジックに参加している中山杏珠氏。モンキーマジックは、「見えない壁だって、越えられる。」をコンセプトに、フリークライミングを通じて、視覚障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げることを目的とし、活動しているNPO法人です。 「自分にとってのスポーツとは、人とつながるきっかけであり、自分の世界を変えてくれたものです。私は1歳の時に目の病気が見つかり、治療の影響で弱視でしたが、10歳の時に完全に見えなくなりました。弱視の時は、思い切り体を動かせる環境が少なかったのですが、見えなくなったことで状況が変わり、出会えたスポーツが2つあります。1つ目はクライミングです。クライミングは自分自身と戦うことを見出してくれたスポーツだと感じています。壁を越えるという、登れた時の達成感を得ることができるクライミングは、チャレンジすることを具現化するものと身をもって実感しました。2つ目は柔道です。柔道は自分と相手と向き合うスポーツだと感じました。クライミングは相手が壁、柔道は人です。胴着を着ること、胴着をつかむこと、受け身を覚えること、相手に投げられること、すべてが新感覚で不思議な沼にはまってしまいました。私はこの2つのスポーツに出会えたことで、自信がつき、諦めないで前向きにチャレンジすることができるようになりました。」 自分という存在がどのようにスポーツと触れ合い、楽しんでいるかを見てもらい、スポーツを始めたいと思うきっかけになれれば嬉しいとも語った中山氏。 2人の話を聞くにつれ、スポーツにはさまざまなチャンスや可能性があると感じた体験談だった。