藤井竜王 天王山第5局は雁木 先手雁木は8連勝中 佐々木八段は「トリプルおやつ」の新手を披露
将棋の藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=に佐々木勇気八段(30)が挑む第37期竜王戦7番勝負第5局は27日、和歌山市の和歌山城ホールで1日目が始まり、戦型は雁木(がんぎ)へ進んだ。ここまでの対戦成績は2勝2敗。勝った側が今期の獲得へ先に王手をかける天王山の戦いは、佐々木が戦型を誘導した。 【写真】藤井聡太竜王、佐々木勇気八段がおやつに選んだ「激カワ」パンダロール 注目の4手目、佐々木が4筋の歩を伸ばして角道を閉ざした。振り飛車か雁木の二択からその後、雁木へ進めた。両者の対戦は過去10局あり、藤井の6勝4敗(未放映のテレビ対局を除く)。その10局に雁木はなく、初の戦型選択となった。 前日26日の前夜祭。15、16日の第4局からの中10日で「作戦の準備をしてきた。体調もバッチリです」と力強かった。雁木へ進めた佐々木に準備の手順があると見るのが自然だが、藤井も雁木を得意とする。 22年1月の朝日杯では後手で敗れたが、2局目以降の8局は全て今回と同じ先手で8連勝。藤井も前夜祭で、「改めて3番勝負になった。気持ちを新たに、盤上に集中して2日間全力を尽くしたい」。戦型への理解度は高いと言え、ほぼ互角の形勢で臨む2日目が注目される。 持ち時間8時間から藤井は4時間1分、佐々木は3時間28分消費した。佐々木は午後3時のおやつにパンダロール、シューパリ、五十五万石を選択。「トリプルおやつ」という新手が、関係者を驚かせた。28日午前9時から指し継がれる。