【有馬にかける男たち③】吉田豊騎手 ハヤヤッコで20年ぶり参戦「すごく乗りやすい馬」
グランプリに挑むジョッキー連載第3回は、白毛の8歳馬ハヤヤッコに騎乗する吉田豊騎手(49)=美浦・フリー=だ。初めて騎乗した前走・アルゼンチン共和国杯は10番人気で優勝と、相性の良さは抜群。20年ぶりの有馬参戦でベテランの味を発揮し、再びあっと言わせる。 ◇ 東のユタカがグランプリに戻ってくる。吉田豊騎手が20年ぶりに有馬記念に参戦。デビュー31年目を迎えるベテランは、静かに闘志を燃やした。 「大きいレースはどれも一緒なので、有馬記念だからというのはありませんが、ファンの関心があるレース。そこに目立つ馬に乗れるというのは、光栄です」 1997、98年メジロドーベル(8、9着)、2004年ハイアーゲーム(6着)以来、4度目の暮れのグランプリ。今年は白毛馬初の有馬記念参戦となるハヤヤッコで臨む。初コンビの前走・アルゼンチン共和国杯で末脚を引き出し、重賞3勝目に導いた。「よく伸びてくれましたね。もう〝おじいちゃん〟ですけど、最後まで踏ん張ってくれました」と8歳馬の奮闘に目を細める。 8歳以上の馬が有馬記念を制した例はなく、09年エアシェイディ(8歳)の3着が最高だ。 「1回しか競馬で乗っていないですけど、すごく乗りやすい馬。全力を出せるように頑張りたいと思っています」 円熟味を増すベテランが、20年分の経験を全てぶつける。(綿越亮介) ■吉田 豊(よしだ・ゆたか) 1975(昭和50)年4月19日生まれ、49歳。茨城県出身。94年に美浦・大久保洋吉厩舎からデビュー。96年阪神3歳牝馬S(メジロドーベル)でJRA重賞&GⅠ初制覇。2022年はドバイターフ(パンサラッサ)で海外GⅠ初制覇。17日現在、JRA通算1万8167戦1325勝(うち重賞はGⅠ9勝を含む37勝)。159センチ、48キロ。弟・隼人もJRA騎手。