「辞書の中で最も美しい言葉は『関税』だ」…安価な輸入品の追い出し、自らの首を絞める可能性も
米国が関税を引き上げた相手国が報復関税に踏み切れば、国際貿易が分断され、保護主義を加速させる恐れがある。国際通貨基金(IMF)は、米国が一律10%の追加関税を導入し、中国やユーロ圏が対抗して同規模の関税を課した場合、世界の貿易量は2026年までに4%落ち込むと試算する。複合的な要因も含めれば、世界全体の国内総生産(GDP)は25年に0・8%、26年までに1・3%減ると見込む。
トランプ氏の勝利後、ダウ平均株価(30種)は連日のように史上最高値を更新している。大型減税や規制緩和で企業業績が上向くとの期待から、市場は「トランプトレード」に沸く。だが強硬な関税政策は、成長効果を相殺し、自らの首を絞める悪手になりかねない。