「じつは、ダメ」銀行に「結婚目的」入った女性が堕ちた、落とし穴…エリート行員は争奪戦、男性は遊びなれていた
「お姫様女子タイプ」の婚活
結婚相談所の仲人たちは、男女を成婚に導くプロだ。私は仲人として結婚相談所を運営し、これまでパーティーを主催する中でおよそ1000人以上の婚活者と出会ってきた。 仲人とは、婚活相談者の生い立ちや恋愛遍歴をヒアリングし、お相手となるターゲットを設定。相談者がどういうタイプで、どんな方とマッチングするかを一発で見抜く。そしてその直感は、じつは当てずっぽうではなく、本人でも気がつかない性格を見出し、裏付けされたデータと照らし合わせて相性を見出し幸せな結婚へと導いている。 仲人の観点を可視化した書籍『恋愛マッチング方程式』では恋愛診断で女性を以下の12タイプチャートとして紹介している。今回はその中から「ドリーマー系・高望みタイプ」の婚活に焦点を当てていきたい。 恋愛や結婚の「高望み」はよくあるが、「ドリーマー系・高望み」タイプはそれが群を抜いている。昔から言われている「三高(高学歴・高収入・高身長)」はもちろん、身なりや食べ方の美しさ、字のきれいさなど条件が数十個に及ぶことも珍しくない。 同じドリーマー系でも「お姫様タイプ」と異なるのは、お相手の容姿の美しさにはそれほどこだわりがない一方で、条件が細かいだけに対応に苦慮するともいえる。 今回はそのドリーマー系・高望みタイプのかすみさん(35歳・仮名)の婚活模様についてお話したい。
「良い会社で結婚相手を見つけろ」
かすみさんは幼少の頃から父親に厳しくしつけられた。特に食事の時の作法には口うるさく、箸の持ち方については、幼いころのかすみさんが泣き出すほど厳しくしつけられたそうだ。友達にも箸使いには厳しく目を光らせ、直接口を出すことはなかったが帰宅後に「躾がなっていない」と文句を言いだす始末。 勉強にも口うるさく「良い学校へ行って、良い会社へ入れ。それがお前の幸せになる」というのが口癖だった。 それはかすみさんの自立のためではなく、「良い会社で結婚相手を見つけろ」というのが真意だったのだろう。というのも、父親は地方の大学を出て中小企業で働くサラリーマンで、そこでの苦労を娘にはさせたくない、というのが意向だったからだ。 かすみさんは父親のそうした苦言に辟易していたものの、成長に伴って納得する部分も多く、父親の厳しくも偏った処世訓が自分の中に自然と生まれてきていることにハッとする場面も自覚していたようだ。 中堅の大学に入ったかすみさんは「良い会社」に入るために全力で就職活動をした。良い成績を取り、力のある教授のゼミに入るべく努力を重ね、OBやOGとのコネを探して、「良い会社」を目指して頑張った、その努力の結果、第一志望の地方銀行への就職に内定が決まり、ほっと胸を撫で下したそうだ。 近年は徐々に減ってきたとはいえ、職場結婚は全体の25%にも達する。かすみさんも職場で結婚相手を見つけるには、安定した企業に就職するのが早道だと考えたのだろう。 夫が銀行員というのは通りも良いし、給与も一般企業に比べて高い。固い職業故の信頼感も抜群だ。かすみさんは「将来の結婚相手」を見つけるべく理想の職場へと挑んだ。