謎の古代都市ペトラ かつては3万人が生活、バラ色の古都は誰がつくりなぜ捨てられたのか
なぜペトラは捨てられたのか?
西暦363年の地震により、ペトラにある建造物の多くが倒壊した。それから何世紀もたって再び地震が起き、ペトラの人口は減少した。 これらの地震によって、ペトラの水インフラは破壊された。「これこそが、ペトラが徐々に放棄されていった理由です」とアル・サルミーン氏は話す。ペトラの住民は泉から近い集落に移住した。
ペトラについてわかっていないことは?
住居を含むペトラの大部分はまだ発掘調査が行われていない。「まだ答えを得られていない疑問が何百もあります」とアル・サルミーン氏は話す。研究者はナバテア人の日常のさまざまな側面に興味を抱いている。人間関係や家族関係、どのように生計を立てていたのか、ささげもの以外に神々とどのように関わっていたかなどだ。 かつて活気に満ちていたこの都市について、考古学者が学ぶべきことはまだたくさんある。人々が暮らしていた建物の多くは、ほかの非宗教的な建物とともに倒壊した。ペリー氏によれば、2度の地震に見舞われる前、ペトラにはおそらく約3万人が暮らしていた。「ここにあるのは、墓だけではありません。ここは決して死者の都市ではないのです」
文=Carolyn Wilke/訳=米井香織