母の日のプレゼントはモノを減らすこと!? 実家の片づけで親孝行をする方法
自分のモノから手をつける
実家を出ても、自分のモノがたくさん残っているという方は多いでしょう。片づけるときは、両親のモノではなくて、自分のモノから始めてみてください。 自分のモノについて「捨てていいよ」と言っても、親にとって子どものモノは捨てにくいのでずっと保管してしまう傾向があります。また、自分のモノは「いる・いらない」がわかりやすいので、作業も進みます。そもそも生活の基盤はすでに違う家にあるので、基本的には不要なモノ。両親のためにも実家のスペースを空けてあげましょう。 家を出たきょうだいのモノがある場合は、本人の許可をもらって片づけてあげるのもいいですね。もしくは、本人が実家に行けそうなお盆や夏休みなどに予定を入れてもらいましょう。実家に家族が集まるときも、片づけのチャンスです。人手が多いこともメリットですが、懐かしいモノが出てきたり、おしゃべりしたりしながら、にぎやかに片づけを進められますよ。 両親のモノを片づけるときには、小さな範囲からがおすすめ。例えば玄関の靴箱でもう履けないような靴を手放す、冷蔵庫の中の賞味期限切れのモノを処分する、など明らかに不用品だとわかるモノから少しずつ始めましょう。 「いる・いらない」は、必ず所有者が判断するようにしてください。片づける人にとってはいらないモノでも、所有者にとっては宝物ということもあります。モノの価値はその人によって異なるので、自分だけの判断で人のモノを手放さないように気をつけてくださいね。 こうして家の中からモノが減るとスッキリして暮らしやすくなり、そこから両親が自主的に片づけるようになることもあります。
防災や介護の観点から片づける
「家を片づけよう」という話をしても、今の暮らしに支障がないので両親が前向きに考えてくれないことがあるかもしれません。そのときには、防災・介護の面からも片づいていることのメリットを伝えてみてください。 寝室に大きな棚があってモノがたくさん入っていると、地震のときに崩れて危険です。地震の際に負傷する大きな原因の1つは、家具の転倒によるものという調査結果があります。さらに、廊下にモノがあふれていると、避難経路の妨げになることも。自然災害以外にも、モノが床に置いてあるだけで転んでケガをするリスクは高まります。 また、年齢を重ねて足や腰が悪くなると、介護用品の使用を検討するようになります。そのときに家の中が片づいていないと、手すりなどで対策をしても歩きにくかったり、介護をする人が家の中でお世話をしづらかったりということにもなりかねません。 片づけをすると将来のこのような不安が少なくなることを話すと、両親の片づけに対するイメージがよくなったという話もあります。子どもが自分のことを大切に思ってくれるからこそ話してくれることなので、より聞こうという気持ちになるのもうなずけますね。 家のことや両親のことを心配しているという話をするだけでも、お母さんに愛が伝わると思います。 今週の母の日は、日本中のお母さんが笑顔になれることを願っています。
【PROFILE】西崎彩智
西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクトⓇ」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等の全国の教育施設にて講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。