メジャー新記録でも大谷翔平「MVP獲得」に相次ぐ反論…「MLBでDHは低評価」「ピッチクロックで走者が有利に」
クレバーな大谷
ひょっとすると残念な話と解釈すべきなのかもしれないが、大谷は来年、ピッチャーとバッターの二刀流に復帰すると目されている。さらに2025年の8月5日は31歳の誕生日。投打の負担と年齢という観点から、バッターとしての生涯最高記録は今季に達成し、あとは緩やかな下降線を辿る可能性がある。 「大谷選手も、そのことは分かっていると思います。『30歳で打撃に専念している今季こそがバッターとしてのピークなのだ』と自覚しているのでしょう。ですから開幕前から心に期するものがあったと思います。そして自分の状態を冷静に自己診断しながら、7月の時点で明確に『50-50』を目標に掲げた節が窺えます。打者としてのピーク年にどんな大記録に挑戦し、それを実現するかという自己洞察力と自己分析力が桁違いであるのは間違いなく、本当にクレバーな選手だと感心させられます」(同・友成氏) ただし、大谷の才能と個人的な努力だけでは「43-43」の大記録を達成することはできなかったようだ。ムーキー・ベッツにとっては不運のケガが、大谷に幸運をもたらしたという。
1番を任された幸運
「開幕からドジャースは1番ベッツ、2番大谷という打順でした。あの時の大谷選手は、いわゆる“つなぐバッティング”チームのためにヒットを狙って打席に立っていたのは間違いないと思います。ところがアクシデントで大谷選手は1番となり、桁違いに自由度が増しました。第1打席でホームランを狙うことも可能になったわけです。近年のMLBではホームランヒッターを1番に置くことが増えていますが、大谷選手はその中でもズバ抜けた成功例でしょう。ホームランを打つだけでなく盗塁でもチームに貢献しており、『50-50』の達成も充分に可能です」(同・友成氏) 第1回【メジャー史を塗り替える「43-43」達成でも、大谷翔平は「MVP当確」ではないのか…MLB屈指の名監督と“バッティングの師匠”が異論を述べるワケ】では、大谷の“師匠”とも呼ばれたMLB史上に残る強打者、アルバート・プホルス氏が「MVPはオズナの可能性もある」と解説した背景について詳報する──。 デイリー新潮編集部
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