ダイヤモンド世代からまた一人 佐藤心結が涙のツアー初V【2024年“この1シーン”】
白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。その今季全37試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。 【写真】シブコとトロフィーを掲げる佐藤心結 ■スタンレーレディスホンダ(10月4~6日、静岡・東名カントリークラブ、優勝:佐藤心結) “ダイヤモンド世代”から新たなヒロインが誕生した。佐藤心結が最終日、5バーディ・1ボギーの「68」をマークして逃げ切り、トータル15アンダーで涙のツアー初優勝を果たした。 前半は耐える時間が続いた。2番パー4で3パットのボギーを喫し、バーディはゼロ。同組の河本結や尾関彩美悠、さらには前の組で猛追する竹田麗央のプレーがプレッシャーとなる中、「正直厳しいと思った」と語る佐藤。 しかし、11番パー5でこの日初のバーディを奪うと流れが一変。「まだまだいける」と気持ちを切り替えた佐藤は、14番で5メートルのパットを沈め、15番では50センチにつける絶妙なショットでバーディ。16番パー3でのチップイン、17番の10メートルパットを決める4連続バーディで一気に勝利を手繰り寄せた。 佐藤が脚光を浴びたのは、2021年大会だった。明秀学園日立高3年時に渋野日向子らとのプレーオフに進出してローアマを獲得。その翌月にプロテスト一発合格を果たした。しかしプロ入り後、同級生たちが次々と初優勝を飾る中、佐藤は勝利をつかむことができなかった。 「自分の代は強い。刺激を受ける存在だけど、今年は特に置いていかれている感覚がありました」。大会前のメルセデス・ランキングは84位。「シードも初優勝も逃すのでは」という不安を抱えて臨んだ中での劇的な勝利だった。 これまで同級生の優勝をグリーン脇で祝福してきた佐藤が、ついに迎えられる側に。「(川崎)春花が『心結が初優勝するときは絶対に待ってる』と前から言ってくれていた。麗央も一緒に待ってくれて、ふたりの姿を見た瞬間、涙が止まりませんでした」と感動の瞬間を振り返った。