衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙は28日の投開票まで1週間となった。 　「選挙サンデー」の21日、岸田文雄首相（自民党総裁）と立憲民主党の泉健太代表は唯一の与野党対決となった島根に入り、「政治とカネ」を巡り舌戦を展開。日本維新の会の馬場伸幸代表は東京で自民、立民両党を批判した。 　首相の補選応援は16日の告示後初めて。首相は票田の松江市で街頭演説し、自民派閥の裏金事件に関し「国民に大きな政治不信を引き起こした」と陳謝。その上で政治資金規正法改正を今国会で実現する決意を改めて示し、「私自身が先頭に立ち、取り組みを進める」と強調した。 　首相は故竹下登元首相や故青木幹雄元官房長官ら島根県出身の重鎮に触れ、「先人の志を大切にするかどうかの選挙だ」と「保守王国」での自民議席死守を訴えた。 　立民は島根を3補選の「天王山」と位置付ける。泉氏は松江市の街頭でマイクを握り、「自民は（裏金事件関係議員の）処分が遅れ、真相解明が遅れ、規正法改正案（取りまとめ）も遅れている」と批判。「裏金議員がきついと言うような改革案が通るか通らないかを補選が握っている」と檄（げき）を飛ばした。 　泉氏は島根県を舞台とする神話に登場するヤマタノオロチに自民をなぞらえ、「ヤマタノオロチを退治しよう」とも呼び掛けた。 　一方、馬場氏は全国政党化のカギとみる東京を回った。自民による裏金事件の関係議員の処分に関し「首相は自分の派閥の議員を誰も処分せず、自らも処分を拒否している。部下に責任を押し付け、自分が責任を取らないのは企業では絶対に通用しない」と指摘。「首相にはリーダーの資格がない」と断じた。 　馬場氏は返す刀で「立民は野党第1党の座を死守することばかり考え、国会での議論のサボタージュを繰り返している」と切り捨てた。 　東京15区補選には参政党、諸派、無所属の候補も出馬し、支持を訴えている。